生化学工業は1月高値後の調整局面は押し目買い好機
関節機能改善剤アルツが主力の生化学工業 <4548> の株価は、利益確定売りや全般地合い悪化の影響で1月高値から一旦反落したが、好業績を評価する流れに変化はなく足元の調整局面は押し目買いの好機だろう。
国内医薬品(関節機能改善剤アルツ、白内障手術補助剤オペガン、内視鏡用粘膜下注入材ムコアップ)、海外医薬品(米国向け関節機能改善剤スパルツ、米国向け単回投与関節機能改善剤ジェル・ワン、中国向けアルツ)、医薬品原体(ヒアルロン酸、コンドロイチン硫酸)、およびLAL事業(エンドトキシン測定用試薬関連)を展開している。高齢者人口増加を背景にアルツおよびジェル・ワンの需要は拡大基調である。
09年3月策定の「生化学工業10年ビジョン」に基づいて、研究開発は糖質科学分野に焦点を絞り、医療ニーズが高い新製品の上市を目指している。開発中の新薬としては腰椎椎間板ヘルニア治療剤SI-6603(一般名コンドリアーゼ)、アルツの適応症追加SI-657、変形性膝関節症改善剤SI-613、ドライアイ治療剤SI-614、関節リウマチ治療剤SI-615などがある。1月30日にはSI-6603の製造販売承認申請を発表し、今後は米国で実施中の第Ⅲ相臨床試験の進捗にも注力していくとしている。
2月4日発表の今期(14年3月期)第3四半期累計(4月~12月)連結業績は前年同期比11.9%増収、同67.6%営業増益、同47.4%経常増益、同56.9%最終増益だった。国内アルツや中国向けアルツの伸び率がやや鈍化し、営業外収益では受取ロイヤリティーが減少したが、米国向けジェル・ワンの数量増加、円安効果、ジェル・ワン訴訟費用減少、減価償却方法変更(定率法から定額法に変更)、特別利益での投資有価証券売却益計上、高萩工場の優遇税制対象継続などで増収増益だった。セグメント別売上高を見ると、医薬品事業は国内医薬品が同1.9%増収、海外医薬品が同40.9%増収、医薬品原体が同42.7%増収、LAL事業が同18.7%増収だった。
通期見通しは前回予想(11月6日に増額修正)を据え置いて、売上高が前期比13.4%増の302億円、営業利益が同53.5%増の48億円、経常利益が同27.8%増の55億円、純利益が同36.6%増の44億50百万円としている。ジェル・ワン新製剤設備の償却開始が前倒しとなったが、ジェル・ワンなど海外医薬品の数量増加と円安効果、ジェル・ワン訴訟費用減少、さらに営業外収益での保有外貨建て資産評価に係る為替差益なども寄与して、大幅増収増益見込みだ。第3四半期以降(10月~3月)の想定為替レートは1米ドル=97円である。
なお12年8月に当社が勝訴したジェル・ワン特許侵害訴訟に関して、米ジェンザイム社が13年10月に提起した連邦巡回区控訴裁判所への控訴を取り下げたため、当社および米ジンマー社(米国におけるジェル・ワンの独占販売代理店)の勝訴が確定した。通期見通しに対する第3四半期累計の進捗率は売上高が76.6%、営業利益が103.7%、経常利益が104.1%、純利益が104.5%で利益は超過達成している。通期利益再増額は濃厚だろう。
株価の動きを見ると、1月20日の昨年来高値1641円から利益確定売りで反落し、2月上旬には全般地合い悪化の影響も受けて2月5日に1310円まで調整する場面があった。ただし足元は概ね1400円近辺で推移して調整一巡感を強めている。好業績を評価する流れに変化はないだろう。
2月27日の終値1388円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS78円34銭で算出)は17~18倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間26円で算出)は1.9%近辺、実績PBR(前期実績の連結BPS1079円38銭で算出)は1.3倍近辺である。週足チャートで見ると13週移動平均線近辺で下げ渋り感を強めている。サポートラインを確認した形だ。13年の上値フシだった1400円近辺が下値支持線として意識されている可能性もあるだろう。足元の調整局面は押し目買いの好機だ。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)
関節機能改善剤アルツが主力の生化学工業<4548>(東1)の株価は、利益確定売りや全般地合い悪化の影響で1月高値から一旦反落したが、好業績を評価する流れに変化はなく足元の調整局面は押し目買いの好機だろう。
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2014-02-28 09:15