井関農機はTPP交渉難航も業績上方修正・増配を見直し急騰相場再現余地
井関農機 <6310> は、関東地方を中心に農家経済に打撃を与えた大雪被害の後遺症や、シンガポールで開催された環太平洋経済連携協定(TPP)の閣僚会合での交渉難航が伝えられたことなどで25日移動平均線を試す下値固めを続けているが、下値は逆張り妙味がありそうだ。TPP交渉は、今年4月下旬に予定されている米オバマ大統領の来日まで進展する可能性も観測されており、そうなれば安倍内閣の成長戦略の一角に位置つけられた「攻めの農林水産業」の展開に拍車がかかることが予想され、今3月期業績の上方修正・期末配当の増配も加わり、昨年4月に「アベトレード」人気で昨年来高値454円まで買い進まれた急騰相場の再現も期待されるためだ。
■米オバマ大統領の来日に向け農業の成長戦略が加速思惑も
「攻めの農林水産業」の展開は、昨年2月の「アベノミクス」の初動段階で産業力競争会議で打ち出され、農林水産業の潜在力を活用して産業競争力を強化するとともに、輸出額を1兆円に倍増させることなどを主要目標に盛り込んだ。この成長戦略に沿ってコメの減反政策の廃止などが打ち出されており、さらに輸出倍増については、昨年12月に「和食」が、ユネスコの世界無形文化遺産に登録される追い風も吹いている。井関農機の農機需要を中期的に成長させる経営基盤が構築されることも期待される。
実際に同社の今3月期業績は、昨年11月に今期第2四半期(2Q)業績が、期初予想を上ぶれて着地したあと、今年2月に今度は3月通期業績を上方修正するなど好調に推移している。国内では農家取得の安定や農業関連予算の増額、消費税増税前の駆け込み需要で農機製品、作業機の売り上げが増加し、海外でも円安進行と新機種を投入した米国市場の好調推移などが寄与して第3四半期業績が、3月通期業績に対して高利益進捗率を示したことが上方修正要因となった。
3月通期純利益は、期初予想の34億円が55億円(前期比38%増)に引き上げられたが、3Q純利益は、50億円(前年同期比28%増)と伸びて着地しており、期末に向けてなお再上ぶれ期待が底流する。上方修正とともに期末配当も増配され、年間配当は、4円(前期実績3円)に引き上げられる。
■2番底からPER12倍台、PBR1倍割れの下げ過ぎを訂正
株価は、昨年の「アベトレード」で年初安値から昨年来高値まで倍化し、258円まで調整、いったん300円台での80円幅の往来相場までリバウンドしたが255円安値まで再調整した。ただこの2月5日安値が今期通期業績の上方修正・増配で2番底として確認され、底上げに転じている。PERは12倍台、PBRは1倍割れとなお下げ過ぎを示唆しており、このところ再び積み上がってきた信用売り残なども補助エンジンに、一段の戻りにトライしよう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)
井関農機<6310>(東1)は、関東地方を中心に農家経済に打撃を与えた大雪被害の後遺症や、シンガポールで開催された環太平洋経済連携協定(TPP)の閣僚会合での交渉難航が伝えられたことなどで・・・。
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2014-02-28 11:15