【中証視点】人民元下落、長期化する可能性は?

米連邦準備制度理事会は2月に入ってからも米国債の購入規模を縮小し、新興国通貨対米ドルレートを大幅に変動させており、人民元対米ドルレートも一定の下落が予想されている。中国は新興国市場の資金流出の流れの中で独り勝ちになることはないが、拡大を続ける貿易黒字と十分な外貨準備資産により、資金の大規模流出を抑制できる。上半期の人民元の変動幅は大きくなるが、対米ドルレートの傾向の転換点に発展することはない。28日付中国証券報が伝えた。
先進国は安定成長の流れを続けており、特に欧州の各主要経済国の回復は米国を上回っている。ドイツの成長の流れは安定的で、ギリシャやイタリアなどの国でも改善が見られ、ユーロ高を支えている。日本は第2四半期の消費増税による駆け込み消費が生じ、同時に貿易赤字の圧力に直面しており、円安がやや緩やかになっている。米国経済の悪天候による影響は一時的なものに過ぎず、長期的な回復の流れを変えることはない。極寒の好転、所得および消費意欲の拡大に伴い、住宅着工件数・販売件数もすぐに回復を見せるだろう。米ドル相場の短期的な推移は楽観視できないが、ドル高に転じる時期に期待がかかる。
新興国は発展モデル転換圧力に直面しており、一部の国では政局に乱れが生じている。これに製造業の先進国への回流、米国の量的緩和策終了による国際資本の流出が加わり、中心的な競争力が失われている。この悪い流れを変えるためには、まだ時間がかかるだろう。
人民元相場に影響する経済成長と貿易状況には変化が生じていない。ゆえに国際資本が新興国市場から先進国市場に回流する短期的な要素が薄れるにつれ、相場は再び上昇するはずだ。上半期は相場の双方向への変動幅が拡大すると見られる。
最近の人民元下落について、中国通貨当局が今後の変動幅拡大に備え、人民元安を誘導した面が大きい。人民元相場の上昇の流れは短期的な調整によって変えられない。中国は人民元の市場化により人民元の国際化、資本勘定における人民元兌換の自由化を推進しようとしている。
外国為替市場と大口商品価格、そして最近のデータを結びつけると、今後半年間の世界経済と為替相場については次のように判断できる。
人民元相場の上昇の予想が弱まり、人民元相場の双方向への変動幅が拡大する。国際資本が新興国市場から先進国市場に回流し、人民元の下落の予想が強まる。貿易黒字の対GDP比が低下していることから、人民元相場が合理的なバランスのとれた水準に向かっていることが示されている。中国経済は2014年第1―2四半期に減速するリスクがあり、市場は人民元相場の上昇の予想を弱め、双方向への合理的な変動に市場の基礎を提供する。
ユーロ、円、豪ドルの相場上昇による影響を受け、米ドル指数が低下しているが、天候要因の米国経済に対する一時的な影響が薄れ、2月と3月の経済データが米国が回復軌道に戻ったことを裏付けるようになると、米ドル相場が再び上昇し、新興国通貨がさらに下落する可能性が高い。(編集担当:陳建民)
米連邦準備制度理事会は2月に入ってからも米国債の購入規模を縮小し、新興国通貨対米ドルレートを大幅に変動させており、人民元対米ドルレートも一定の下落が予想されている。中国は新興国市場の資金流出の流れの中で独り勝ちになることはないが、拡大を続ける貿易黒字と十分な外貨準備資産により、資金の大規模流出を抑制できる。上半期の人民元の変動幅は大きくなるが、対米ドルレートの傾向の転換点に発展することはない。28日付中国証券報が伝えた。
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2014-02-28 17:45