翻訳センターは悪材料続いたが売られ過ぎ感、調整の最終局面

  国内最大規模の翻訳会社である翻訳センター <2483> (JQS)の株価は、全般地合い悪化の影響、今期(14年3月期)業績見通しの減額修正、そして株式売出発表と悪材料が続いて水準を切り下げたが、足元では売られ過ぎ感も強めている。調整のほぼ最終局面で一旦は反発のタイミングだろう。   特許・医薬・工業(IT関連)・法務・金融分野を中心として、企業向けなどに翻訳サービスを展開している。企業の知的財産権関連、新薬開発関連、新製品開発関連、海外展開関連、ディスクロージャー関連など翻訳サービス需要は拡大基調であり、M&Aも積極活用して業容を拡大している。12年には通訳・翻訳・国際会議運営のアイ・エス・エス(ISS)を子会社化した。ISSは国際会議運営の実績が豊富であり、通訳の分野も20年東京夏季五輪開催に向けて有望だ。13年6月にはアイタスからIT関連のローカライゼーション/マニュアル翻訳事業の一部を譲り受けた。   2月21日に、教育ビジネスを展開しているウィザスとの業務・資本提携契約の解消、および株式売出を発表した。ウィザスが保有している当社株式35万6000株(持株比率21.13%)のうち31万株の売出、およびオーバーアロットメントによる4万6000株の売出を行う。売出価格は3月3日から3月5日までの間のいずれかの日に決定する。なお提携解消は一定の成果が得られたためとしている。今回の売出によって、現在2位株主で当社株式34万5000株を保有しているエムスリー <2413> が第1位株主となる。   2月6日発表の今期(14年3月期)第3四半期累計(4月~12月)連結業績は前年同期比25.5%増収、同2.8%営業増益、同1.3%経常増益、同2.2%最終増益だった。翻訳事業の人員増加などで営業利益の伸びは小幅にとどまったが、翻訳事業では医薬分野と金融分野を中心に好調で、ISSグループの好調も寄与して大幅増収だった。セグメント別に見ると翻訳事業は同4.9%増収、派遣事業は同2.0倍増収、通訳事業は同2.8倍増収、語学教育事業は同2.7倍増収、その他は同2.1倍増収だった。   通期の見通しは2月6日に減額修正を発表した。売上高は20百万円減額して前期比20.8%増の87億80百万円、営業利益は70百万円減額して同5.4%減の4億円、経常利益は70百万円減額して同5.4%減の4億円、純利益は50百万円減額して同13.7%減の1億90百万円とした。翻訳事業の特許分野と工業分野の売上が想定を下回り、収益性の高い翻訳事業の売上構成比が低下するため減額修正した。ただし翻訳事業の医薬分野と金融分野、およびISSグループの業績は好調のようだ。   株価の動きを見ると、1月8日の戻り高値5790円から反落し、2月上旬には全般地合い悪化も影響して、2月4日に4135円まで調整する場面があった。その後一旦は4700円台に切り返す場面があったが、今期業績見通しの減額修正が嫌気され、さらに株式売出による需給悪化も懸念されて水準切り下げの展開となった。2月28日には3930円まで調整した。   2月28日の終値3935円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS112円79銭で算出)は35倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間45円で算出)は1.1%近辺、実績PBR(前期実績の連結BPS1459円64銭で算出)は2.7倍近辺である。日足チャートで見ると、25日移動平均線に対するマイナス乖離率が15%程度に拡大して、売られ過ぎ感を強めている。また週足チャートで見ると26週移動平均線を割り込んだが、52週移動平均線に接近した。調整のほぼ最終局面で一旦は反発のタイミングだろう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)
国内最大規模の翻訳会社である翻訳センター<2483>(JQS)の株価は、全般地合い悪化の影響、今期(14年3月期)業績見通しの減額修正、そして株式売出発表と悪材料が続いて水準を切り下げたが、足元では売られ過ぎ感も強めている。
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2014-03-03 09:30