資生堂は収益改善を評価する流れに変化なく上値追い
資生堂 <4911> の株価は1月下旬~2月上旬に全般地合い悪化の影響を受ける場面があったが、素早く切り返して足元では昨年来高値更新の動きとなった。収益改善を評価する流れに変化はなく上値追いの展開だろう。
中期的に国内、中国、米ベアエッセンシャルの3領域に経営資源を集中する方針を打ち出し、事業構造改革も実施した。国内では中高価格帯商品への対応に取り組み、海外ではブランド刷新も検討する。また13年5月には、レプリセル社(カナダ)の毛髪再生医療技術導入の技術提携契約に基本合意し、美容と医療を融合した安全で有効な毛髪再生医療の事業化を目指している。
なお13年10月にフランス子会社の株式および資産について仏ロレアル社から譲渡提案を受けて交渉していたが、2月19日に「カリタ」ブランドと「デクレオール」ブランドの譲渡契約を締結した。譲渡に伴う売却益は関係国の競争法上の手続き完了後に確定するため、来期(15年3月期)に計上予定としている。
今期(14年3月期)の連結業績見通し(1月31日に増額修正)は、売上高が前期比10.7%増の7500億円、営業利益が同61.3%増の420億円、経常利益が同54.9%増の440億円、純利益が190億円(前期は146億85百万円の赤字)としている。第4四半期(1月~3月)にマーケティングコストを積極投入するが、円安による差益増や事業構造改革の効果で吸収する。営業外では円安に伴う外貨建て資産の評価益も寄与する。なお想定為替レートは1米ドル=97円70銭、1ユーロ=129円70銭、1人民元=15円90銭として、地域別売上高は国内が同1.7%減の3670億円、海外が同25.8%増の3830億円の計画だ。
国内化粧品販売会社の月次売上動向(前年比)を見ると13年10月プラス5%、11月プラス9%、12月プラス2%、14年1月プラス7%と下期に入って好調を維持している。14年1月はセルフ化粧品がやや低調だったが、カウンセリング化粧品は「エリクシール」が伸長し、トイレタリーも前年を上回った。通期見通しに対する第3四半期累計の進捗率は売上高が71.4%、営業利益が79.4%、経常利益が80.4%、純利益が88.1%であり、利益面では上振れ余地を残しているようだ。
株価の動きを見ると、昨年10月~11月の1700円~1800円近辺でのモミ合いから一旦反落し、1月下旬~2月上旬には全般地合い悪化の影響を受けて1月27日に1557円、2月5日に1555円まで調整する場面があった。しかし2月5日安値から反発してほぼ一本調子の上昇となり、2月25日には1807円を付けて昨年9月1796円を突破した。さらに3月3日には全般軟調地合いの中でも1828円まで上値を伸ばす場面があった。収益改善を評価する動きだろう。
3月3日の終値1823円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS47円69銭で算出)は38倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間20円で算出)は1.1%近辺、実績PBR(前期実績の連結BPS722円42銭で算出)は2.5倍近辺である。週足チャートで見ると、52週移動平均線近辺から反発して13週移動平均線と26週移動平均線を一気に回復し、昨年来高値を更新した。強基調への転換を確認して上値追いの展開だろう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)
資生堂<4911>(東1)の株価は1月下旬~2月上旬に全般地合い悪化の影響を受ける場面があったが、素早く切り返して足元では昨年来高値更新の動きとなった。収益改善を評価する流れに変化はなく上値追いの展開だろう。
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2014-03-04 09:30