SBI証券、NISAで30代-40代が中心、女性、初心者も

 SBI証券では「投資経験がない」という方々のNISA口座開設が進んでいる。同社へのNISA口座は、30代-40代が中心になって進み、「NISAで投資家デビューをされる方が多いこと、また、女性の口座開設については想定を大きく上回っています」という。SBI証券経営企画部長の小川裕之氏(写真:左)と、同部次長の金子登氏(写真:右)に、SBI証券のNISA取り扱いの現状と今後の展望について聞いた。 ――NISA口座の取り扱い状況は? 金子 これまで約45万口座の開設申し込みをいただいています。うち1月末までに稼働しているのは約30%です。1年間で100万円の投資枠を一括して利用される方は少なく、稼働口座の平均投資金額は50万円程度になっています。  また、NISA口座で投資されている商品は、株式の比率が高くなっています。NISA口座での保有銘柄のランキングは、ホームページで一般に公開していますが、現在のところ、株式の保有残高の第1位は、武田薬品工業で、以下、キヤノン、みずほフォナンシャルグループと続いています。総じて、配当利回りが高い大型株に人気があります。  投信については、海外リートや債券に投資して毎月分配を得るタイプのファンドが保有上位を占めています。ノーロード(購入時手数料無料)ファンドが好まれ、積立てで購入されるお客さまも少なくないという状況です。 ■NISA口座開設者の3分の2が「投資未経験」 小川 NISA口座を開設していただいているのは、投資が初めてという方が目立っています。2014年1月の実績では、新規に口座開設をしていただいた方の3分の2が「投資経験がない」という方でした。その影響からか、女性の利用が目立っています。  1月に投資家デビューされた方(初めて投資をした方)の約半数は女性でした。通常月の月間注文件数に占める女性の比率は30%程度ですから、NISAを通じた女性の投資家デビュー比率が高いことがお分かりいただけると思います。 ――SBI証券のNISAサービスの特徴は? 金子 NISAに限ったことではありませんが、業界最低水準の取引コストがあげられます。NISA口座については、2014年分の国内株式手数料を買付・売付ともに無料にしています。また、海外ETFの買付手数料も実質無料(全額をキャッシュバック)です。投信については、業界最大規模の約1470本を取り扱っていますが、うち466本がノーロードファンドですので、投信の買付についても手数料無料で多くの商品の購入が可能です。 ■NISA口座では株式の売買手数料を無料に  この他にも、株式については、夜間取引市場(ジャパンネクストPTS)が使えますので、平日の夜11時59分まで国内株式の取引が可能です。また、外国株式は9カ国(米国、香港、韓国、ロシア、ベトナム、インドネシア、シンガポール、タイ、マレーシア)への投資ができます。さらに、国内IPO(新規公開)銘柄も、昨年IPOした全銘柄中、80%超の銘柄で引受けに関与した実績があり、業界でトップです。NISAでもIPOに応募することが可能です。 小川 SBI証券でNISA口座を開設していただいている方は、30代-40代が中心です。この世代の方々は、インターネットで調べてランキングなどで上位の証券会社に口座を開設される方が多いと思います。取引コストの低さ、口座の利便性など、どのような切り口でランキングしていても、SBI証券はトップ、または、トップに準じるランキング結果になっていますので、自然とNISAでもSBI証券に口座を開設していただいています。  先日、証券業界協会が公表した資料では、NISA口座を開設された方は全体の3分の2が60歳以上の方々だったという結果でしたが、SBI証券では60歳以上は25%に過ぎません。投資家としては、若い方々が中心ですので、そのような方々が必要とする投資情報の充実を図っていきます。 ――NISAの制度に関する改善要望は? 金子 お客さまから要望が強いのは、制度を無期限にしてほしいという要望です。また、一度投資した枠を再利用できるようにしてほしい、そして、口座開設時の手続き(住民票の提出)を、簡略化してほしいという要望も多く聞かれます。  その他では、「ジュニアNISA」というのか、20歳未満の方々でも使える制度にしてほしいということ。また、投資対象として国債、社債などの債券を加えてほしいという要望も聞きます。 ――これからのNISAサービスは? 小川 「NISA(ニーサ)」については、昨年、金融業界を挙げて告知活動を行った効果で、言葉としての認知度は高まったと感じます。これからは、制度内容について、一歩踏み込んだ説明が必要です。たとえば、NISAで投資を始めてみたものの、一度、購入した株式を売却した後、NISA口座で買い直しができないというようなことまで、理解されているのでしょうか? 今後、NISAの口座活用が進む中で、お客さまの不都合が表面化してくる部分もあると思っています。  SBI証券としては、業界全体の動きに歩調を合わせて、ネット上のコンテンツとしての説明資料の充実を図っていきます。 ■NISAで投資を始めた方の期待に応えるサービスを展開  また、せっかくNISAで口座を開いてくださった方々に、がっかりされることがないよう、サービスレベルの維持向上に努めます。たとえば、スマートフォンアプリは、バージョンアップを続けて使い勝手の良いものにしていっていますが、同様に、全てのサービスについても、常により良い内容へと改めていきます。  特に、NISAで投資を始められた方々には、取引のやり方をわかりやすくお伝えし、用意している様々な投資情報を自在にご活用いただけるようにすることが重要になります。経営理念である“顧客中心主義”を徹底し、すべての投資家にとって使いやすい取引環境を提供していきたいと思っております。(編集担当:徳永浩)
SBI証券では「投資経験がない」という方々のNISA口座開設が進んでいる。(写真は、SBI証券経営企画部の小川裕之氏<左>と、金子登氏。サーチナ撮影)
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2014-03-04 10:45