ウクライナ情勢の為替、株価への影響=為替王
ウクライナ情勢が緊迫しています。政治的な背景は、報道されているニュースをご参照いただくとして、ここでは為替・株価など金融市場への影響について解説いたします。
ウクライナの通貨フリヴニャ(UAH)は先週は対ドルで一時25%ほど急落する場面がありました。しかし、ウクライナの経済規模は小さく、そのことが直接的に世界経済に与える影響はあまり大きくありません。それよりもロシアや米国などを通じた世界経済への影響が注目されます。
ロシアの通貨ルーブル(RUB)は今年は一貫して下落傾向が続いていました。週明けの昨日、対ドルでの安値をまた更新。長期的に見ても、近年もっとも下落したリーマン危機後の水準に迫っています。対円でも昨年上昇した分をほぼ帳消しにするほど急落しています(昨年高値1ルーブル=約3.3円、昨日1ルーブル=約2.7円)。ロシアはルーブル急落・資金流出懸念に対する緊急措置として昨日、利上げを発表。それによりルーブルは一時急反発しましたが、まだ予断を許さない状況です。
世界の株価、為替への影響についてですが、先週金曜日深夜、ロシアの軍事介入(ロシア軍がウクライナ南部のクリミアに侵攻)のニュースが伝わると、それまで上昇基調だったNYダウ株価が一転して下落。為替も少し円高になりました。土日の間にも、ロシアと欧米の対立激化が避けられないとの見方が強まると、週明けには世界的な株安と円高が一段と進む場面がありました。現時点で、ウクライナ情勢がすぐに収束する気配はありませんが、一般論としても、このようなリスク要因は、株式市場では株価下落に、為替市場では円高に作用しやすいです。(執筆者:為替王)
ウクライナ情勢が緊迫しています。政治的な背景は、報道されているニュースをご参照いただくとして、ここでは為替・株価など金融市場への影響について解説いたします。
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2014-03-04 14:45