アルコニックスは割安感見直す流れに変化なく押し目買い好機

  非鉄金属専門商社のアルコニックス <3036> の株価は、1月高値から利益確定売りや全般地合い悪化の影響で反落したが、下値は限定的のようだ。指標面の割安感を見直す流れに変化はなく押し目買いの好機だろう。   軽金属・銅製品(伸銅品、銅管、アルミフィンなど)、電子・機能材(レアメタル・レアアース、チタン・ニッケル製品など)、非鉄原料(アルミ・亜鉛地金など)、建設・産業資材(配管機材など)を取り扱う専門商社で、特にレアメタル・レアアースに強みを持っている。M&A戦略で13年1月に金属・化成品メーカーの米ユニバーティカル社、13年3月にアルミスクラップ販売の大阪アルミセンター、13年4月に産業機械用精密加工部品メーカーの大羽精研を子会社化した。   13年5月に発表した中期経営計画では、目標値として16年3月期の経常利益50億円以上、純利益30億円以上、ROE13~15%程度などを掲げている。重点戦略としては、川上・川中・川下の各分野でのM&A推進、レアメタル・電子・機能材・リサイクル分野の強化、日本を経由しない三国間取引の拡大などに取り組む。   2月10日発表の今期(14年3月期)第3四半期累計(4月~12月)連結業績は前年同期比6.4%増収、同4.9%営業増益、同1.3%経常増益、同75.4%最終増益だった。自動車関連の好調や新規連結子会社の寄与などで増収増益だった。純利益は負ののれん発生益も寄与した。   セグメント別に見ると軽金属・銅製品事業は国内外で自動車関連素材が堅調に推移し、新規連結も寄与して同18.4%増収、同69.9%増益だった。電子・機能材事業はレアメタル・レアアースの価格下落などで同10.4%減収、同26.7%減益だった。非鉄原料事業は新規連結が寄与して同32.1%増収だったが、円安に伴う輸入アルミ合金塊の仕入コスト上昇で同15.1%減益だった。建設・産業資材事業は公共投資増加や東南アジア向け好調などで同5.8%増収、同67.8%増益だった。   通期見通しは前回予想(10月22日に売上高と営業利益を減額、経常利益を据え置き、純利益を増額修正)を据え置いて、売上高が前期比9.2%増の1800億円、営業利益が同0.4%増の33億円、経常利益が同14.1%増の33億円、純利益が同88.7%増の27億円としている。主力のレアメタル・レアアースの需要・市況は低調だが、自動車部品用アルミ再生魂や空調向け銅管などの需要が好調であり、新規連結も寄与する。第3四半期累計の進捗率は売上高が76.2%、営業利益が87.6%、経常利益が81.4%、純利益が91.0%と高水準である。通期上振れの可能性があるだろう。   株価の動きを見ると、1月21日に昨年来高値2424円を付けたが、利益確定売りや全般地合い悪化の影響で反落し、2月4日の2080円まで調整した。しかし切り返しの動きを強めて足元は概ね2200円台で推移している。売り一巡した形だろう。   3月4日の終値2263円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS424円78銭で算出)は5~6倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間60円で算出)は2.7%近辺、実績PBR(前期実績の連結BPS2414円98銭で算出)は0.9倍近辺である。週足チャートで見ると26週移動平均線近辺で下ヒゲを付けた。下値は限定的でサポートラインを確認した形のようだ。指標面の割安感を見直す流れに変化はなく押し目買いの好機だろう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)
非鉄金属専門商社のアルコニックス<3036>(東1)の株価は、1月高値から利益確定売りや全般地合い悪化の影響で反落したが、下値は限定的のようだ。
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2014-03-05 09:00