【為替本日の注目点】102円60銭の上抜けはドル買い材料が必要
NY市場
ドル円は102円台で堅調に推移。ケリー国務長官とロシアのラブロフ外相が会談したことで、ウクライナ情勢が好転するとの観測から102円台半ばを超す場面があったが、ADP雇用者数が市場予想を下回ったことで小幅に下落。102円30銭前後で取引を終える。
ユーロドルは1.37台でのもみ合いが続く。ユーロ圏の小売売上高が好調だったが相場への影響は限定的で、今夜のECB理事会の結果を見極めたいとの雰囲気が広がった。
株式市場は前日とほぼ変わらず。雇用関連の指標は市場予想を下回ったが、株価は堅調に推移。ダウは35ドル下げたものの、ナスダックは6ポイント上昇。
債券相場も横ばい。非製造業景況指数が予想に届かず、景気腰折れの思惑が強まった。
金は小幅に反発。原油は予想以上の在庫の積み上がりを受けて続落。
2月ADP雇用者数 → 13.9万人
2月ISM非製造業景況指数 → 51.6
ドル/円 102.24 ~ 102.55
ユーロ/ドル 1.3708 ~ 1.3749
ユーロ/円 140.40 ~ 140.74
NYダウ -35.70 → 16,360.18ドル
GOLD +2.40 → 1,340.30ドル
WTI -1.88 → 101.45ドル
米10年国債 -0.001 → 2.690%
本日の注目イベント
豪 豪1月貿易収支
豪 豪1月小売売上高
欧 ECB政策金利発表
欧 ドラギ・ECB総裁記者会見
英 BOE政策金利発表
米 新規失業保険申請件数
米 ダドリー・NY連銀総裁、WSJ紙とインタビュー
米 プロッサー・フィラデルフィア連銀総裁講演
米 ロックハート・アトランタ連銀総裁講演
ウクライナ情勢を睨みながらもドル円は堅調に推移しました。海外市場では米国とロシアの外相会談を受け、102円台半ばを超える場面もありましたが、102円70銭あたりから上値の水準が意識されて、それ以上上値を追う展開にはならなかったものの102円台は維持しています。
地区連銀経済報告(ベージュブック)では、全12地区のうち8地区が「経済活動の改善度合いは緩慢、ないしは緩やかとされた」とされ、ニューヨークやフィラデルフィアの両地区では「異例に厳しい天候が原因」で経済活動が低下したと報告されています。
また、その他の地区でも一部は天候が原因で景気の減速が見られたとの報告もあり、やはり異常な寒波の影響が経済活動を緩慢にさせたことが明らかになりました。昨日はこれ以外にも経済指標が発表されましたが、いずれも軟調な結果になっています。
ISM非製造業景況指数は「51.6」と、低水準でした。好不況の分かれ目である「50」は超えましたが、2010年以来の低水準でした。また、今週末の雇用統計を占う意味で重要なADP雇用者数も、市場予想の15万人に対して、13万9000人と、こちらも低調な結果になっています。さらに前月分も下方修正されており、週末の雇用統計に対する不安もやや高まって来ました。それでもドル円は堅調に推移しており、102円台を維持しています。
102円台後半から上値が重いものの、101円20銭から反発していることで「底堅い」とも言えそうですが、ウクライナ情勢の緊迫で円買いが一旦は強まった状況から、元に戻ったと見るべきでしょう。依然として101円~103円のレンジ内の動きが続いていると見られます。
テクニカルでは一目均衡表の「遅行スパン」がローソク足と交わる水準まで上昇しており、102円60銭を超えることができれば「好転」が見られそうです。この水準から上値は、ここ1カ月以上抜け切れていない水準で実需のドル売りが集まりやすいレベルでもあります。
これまでにも述べてきたように、この水準を上抜けするには明確な「ドル買い材料」が必要で、それは米景気が拡大しているというデータに他なりません。昨日のADP雇用者数は期待外れに終わりましたが、この指標と本番の雇用統計の結果が大きく異なることはすでに何度も経験しています。雇用統計に期待したいと思います。
本日はECBの理事会があり、ここで何らかの追加緩和策が発表されるとの見方が根強いことからユーロのポジションには注意が必要です。予想レンジは101円80銭~102円80銭程度と見ています。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ・メディア事業部)
ドル円は102円台で堅調に推移。ケリー国務長官とロシアのラブロフ外相が会談したことで、ウクライナ情勢が好転するとの観測から102円台半ばを超す場面があったが、ADP雇用者数が市場予想を下回ったことで小幅に下落。102円30銭前後で取引を終える。
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2014-03-06 10:00