フランスベッドＨＤは下値固め完了、好業績を評価して切り返し

　　介護・福祉関連用具のフランスベッドホールディングス <7840> の株価は、全般地合い悪化の影響を受けて水準を切り下げたが、売り一巡して下値固め完了感を強めている。好業績を評価して切り返し局面だろう。株主優待制度を考慮した総合利回りの高さも注目点だ。 　　０４年に純粋持株会社へ移行して、メディカルサービス事業（介護・福祉関連用具のレンタル・販売、介護予防の通所介護施設「悠々いきいき倶楽部」運営など）、インテリア健康事業（家庭用高級ベッド、医療・介護用ベッド、リハビリ商品など）、その他事業（日用品雑貨販売など）を展開している。 　　成長分野のシニア・シルバービジネスに経営資源をシフトして、医療・介護用電動リクライニングベッド・マットレス、高齢者向け「リハテック」ブランドの電動アシスト三輪自転車やハンドル型電動車いす、在宅・病院・福祉施設向け「見守りケアシステム」など、独自の新商品・新サービス投入を強化して介護・福祉用具レンタル市場でのシェア拡大戦略を推進している。さらに新規販売チャネル開拓で病院・施設向け取引も強化している。 　　今期（１４年３月期）の連結業績見通しは前回予想（５月１５日公表）を据え置いて、売上高が前期比５．４％増の５３６億円、営業利益が同３７．０％増の２８億円、経常利益が同３６．２％増の２７億５０百万円、そして純利益が同２９．１％増の１４億６０百万円としている。高性能・高付加価値商品の市場投入やレンタル分野に対する営業強化などが寄与して、人員増などのコストアップ要因を吸収する見込みだ。 　　第３四半期累計（４月～１２月）の営業利益進捗率はやや低水準だったが、メディカルサービス事業は介護・福祉市場の拡大、インテリア健康事業は高額消費の好調が追い風であり、増収営業増益の見込みだ。円安進行に伴って輸入品に対する競争力も回復しているため、来期（１５年３月期）以降も好業績が期待される。 　　なお今期末の株主優待制度については、３月３１日時点で１０００株以上保有している株主を対象として「Ａ．１万円分のご利用券」または「Ｂ．自社グループ指定製品５品のうちいずれか１品とのお引き換え」を選択できる。 　　株価の動きを見ると、概ね１９０円～２１０円近辺のレンジでボックス展開だったが、１月下旬～２月上旬の全般地合い悪化の影響を受けて２月４日と２月５日に１８０円まで急落した。足元は概ね１９０円近辺で推移している。水準をやや切り下げた形だが、足元では売り一巡して下値固め完了感を強めている。 　　３月７日の終値１８９円を指標面で見ると、今期予想連結ＰＥＲ（会社予想連結ＥＰＳ６円６８銭で算出）は２８倍近辺、今期予想配当利回り（会社予想の年間４円５０銭で算出）は２．４％近辺、実績ＰＢＲ（前期実績連結ＢＰＳ１６５円８０銭で算出）は１．１倍近辺である。週足チャートで見ると２６週移動平均線を割り込んでボックス下放れの形となったが、１８０円近辺が下値支持線のようだ。また日足チャートで見ると２５日移動平均線を回復して出直りの動きを強めている。好業績を評価して切り返し局面だろう。株主優待制度を考慮した総合利回りの高さも注目点だ。（情報提供：日本インタビュ新聞社＝Ｍｅｄｉａ－ＩＲ）