インフォコムは中期成長力を評価して出直り、3月期末一括配当も注目

  ITソリューションやコンテンツ配信などのインフォコム <4348> (JQS)の株価は、急落した2月安値から切り返しの動きを強めている。電子書籍配信を中心とした中期成長力を評価して出直り展開だろう。3月期末一括配当で2%近い配当利回りも注目点だ。   企業向け(BtoB市場)にITソリューション・サービスを提供するITサービス事業、一般消費者向け(BtoC市場)に各種デジタルコンテンツを提供するネットビジネス事業を展開している。重点領域として電子書籍配信などのネットビジネス事業、医療機関・製薬企業向けヘルスケア事業、Web-ERPソフト「GRANDIT」事業を掲げ、クラウドサービス関連、ソーシャルメディア関連、ビッグデータ領域のデータサイエンス関連、農業IT化関連なども強化する方針だ。   06年開始の電子書籍配信サービス「めちゃコミック」は国内トップクラスの規模を誇り、ネットビジネス事業を分社化した子会社アムタスは13年11月に、マルチデバイス対応の新たな電子書籍配信サービス「ekubostore」もオープンし、6000冊を超える小学館の作品や8000冊を超える講談社の作品も提供している。   M&Aや戦略的アライアンスも積極活用する。13年9月に医薬品業界向けCRM事業強化に向けてミュートスと合弁会社インフォミュートスを設立し、BCP(事業継続計画)分野のビジネス拡大に向けて危機管理関連ソリューションを手掛ける江守商事 <9963> との協業を開始した。またゲーム配信サービスでは韓国ユビヌリ社と協業して韓国市場にも参入している。   今期(14年3月期)の連結業績見通しは前回予想を据え置いて、売上高が前期比7.0%増の400億円、営業利益が同2.8%増の36億円、経常利益が同3.2%増の36億円、純利益が同5.8%増の22億円としている。成長に向けた先行投資負担で小幅営業増益にとどまるが、電子書籍配信サービスの好調やヘルスケア事業の業容拡大が牽引する。   通期見通しに対する第3四半期累計(4月~12月)進捗率は低水準だが、特に利益面で第4四半期(1月~3月)の構成比が高い収益構造のため、ネガティブ要因とはならないだろう。また来期(15年3月期)は、電子書籍関連など重点分野の一段の業容拡大に加えて、先行投資の効果が寄与する。   なお3月5日には、ソーシャルゲーム開発のグループ会社イストピカ(アムタスの子会社)と、オンラインゲーム配信のネクソン<3659>が共同開発して、2月20日に配信を開始したファンタジーRPG「マギ Dungeon & Magic」のダウンロード数が30万ダウンロードを突破したと発表している。来期の収益に本格寄与することが期待される。   2月13日に自己株式取得を発表した。取得株式総数の上限30万株(自己株式除く発行済株式総数に対する割合1.08%)、取得価額総額の上限3億円、取得期間14年2月14日~14年3月20日として、2月28日時点の累計で取得株式総数21万2800株、取得価額総額1億9712万9100円となった。   株価の動き(13年10月1日付で株式200分割)を見ると、利益確定売りや全般地合い悪化の影響で、1月21日の戻り高値1052円から2月4日の777円まで急落したが、素早く900円台まで戻して切り返しの動きとなった。足元は戻り一服の形だが、リスク回避の売りは一巡しているだろう。   3月7日の終値907円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS79円60銭で算出)は11~12倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間17円50銭で算出)は1.9%近辺、実績PBR(前期実績に株式200分割を考慮した連結BPS641円83銭で算出)は1.4倍近辺である。週足チャートで見ると足元で26週移動平均線を割り込んだが、52週移動平均線がサポートラインの形であり下値は限定的だろう。3月期末一括配当で2%近い配当利回りも注目点であり、出直り展開だろう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)
ITソリューションやコンテンツ配信などのインフォコム<4348>(JQS)の株価は、急落した2月安値から切り返しの動きを強めている。
economic
2014-03-10 09:45