素直なのも困りもの=広木隆

 「過去を振り返らずに前を見よう」(2月26日付レポート)と言っているくせに、過去のレポートを「記念碑的レポート」などとよく参照したりする。いちばん多いのは相場の底値で「こんな相場は間違っている」と喝破した『PAST<FUTURE』だが、その次に多く言及するのが、『素直になれなくて-Think Simpleシンプルに考える』(2012年11月16日)というレポートだ。日付を見ておわかりの通り、このアベノミクス相場のスタート点である。その最初の段階から、この相場は本物である、素直に、シンプルに考えて乗っていけばいい、と主張した。しかし、その一方で相場の単純さ、幼稚さにも呆れている。  <日経平均は今日も続伸し、9,000円の大台を回復した。相場が上がるのは、もちろん良いことだ。しかし、こうも言いたくなる。だったらこの前の7日続落はなんだったのか?分かっていたことじゃないか、「近いうちに」解散となれば円安・株高となるのは。そこが釈然としないところである>(『素直になれなくて-Think Simpleシンプルに考える』)  今日の東京株式市場で日経平均は5日ぶりに反落。終値は前週末比153円安だった。前週に日経平均は4連騰で400円超上昇していたことから利益確定売りが膨らんだ。週末に発表された中国の2月の貿易統計で輸出が大幅に減少したことに加え、…  (執筆者:広木隆 マネックス証券チーフ・ストラテジスト 編集担当:サーチナ・メディア事業部)
「過去を振り返らずに前を見よう」(2月26日付レポート)と言っているくせに、過去のレポートを「記念碑的レポート」などとよく参照したりする。いちばん多いのは相場の底値で「こんな相場は間違っている」と喝破した『PAST<FUTURE』だが、その次に多く言及するのが、『素直になれなくて-Think Simpleシンプルに考える』(2012年11月16日)というレポートだ。
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2014-03-10 18:30