東洋建設は業績と配当の増額修正を好感し、昨年11月高値目指す
海洋土木工事が主力の東洋建設 <1890> の株価は1月の戻り高値圏から一旦反落したが、3月7日発表の今期業績予想および配当予想の増額修正を好感して急伸した。中期的に事業環境は良好であり、好業績を評価して1月の戻り高値、さらに昨年11月の高値を目指す展開だろう。
前期の売上構成比は国内土木事業55.3%、国内建築事業29.3%、海外建設事業14.9%、不動産・その他事業0.5%で、港湾インフラ工事など国内外での海洋土木工事を主力としている。13年10月にはベトナムで同国2番目の製油所となるニソン製油所の海洋工事を単独受注した。今後もアジア・アフリカなど新興国の海洋インフラ関連工事の受注拡大が期待される。なお14年2月には、ミャンマーから建設業の営業許可を取得してヤンゴンに出張所を開設した。
公共投資関連、浮体式洋上風力発電関連、放射性物質セシウム除染関連、新興国海洋インフラ工事関連などテーマ性は豊富である。浮体式洋上風力発電に関しては、12年9月設立の6社1協会による「地域振興型アクア・ウインド事業化研究会」に参画している。
3月7日に今期(14年3月期)連結業績予想および配当予想の増額修正を発表した。売上高は100億円増額して前期比13.3%増の1450億円、営業利益は1億50百万円増額して同28.3%増の36億50百万円、経常利益は3億円増額して同28.9%増の28億円、純利益は5億円増額して同62.6%増の18億円とした。配当予想は前回予想に対して2円増額の年間7円(期末一括)とした。前期との比較でも2円の増配となる。
国内では震災復興関連の港湾インフラ工事などを中心に、公共投資が堅調に推移して受注が想定を上回る。工事採算の改善も寄与する。海外では前々期に受注したケニアとインドネシアの大型港湾工事が牽引する。受注環境は中期的に良好であり、来期(15年3月期)も好業績が期待される。
株価の動きを見ると、1月の戻り高値圏380円近辺から反落して330円近辺まで水準を切り下げたが、3月7日発表の今期業績予想および配当予想の増額修正を好感し、翌3月10日は前日比33円(9.65%)高の375円まで上伸する場面があった。
3月10日の終値366円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS22円49銭で算出)は16~17倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間7円で算出)は1.9%近辺、実績PBR(前期実績の連結BPS290円45銭で算出)は1.3倍近辺である。日足チャートで見ると25日移動平均線を一気に突破し、週足チャートで見ると26週移動平均線近辺で反発してサポートラインを確認した形だ。強基調に転換して1月の戻り高値385円、さらに昨年11月の高値398円を目指す展開だろう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)
海洋土木工事が主力の東洋建設<1890>(東1)の株価は1月の戻り高値圏から一旦反落したが、3月7日発表の今期業績予想および配当予想の増額修正を好感して急伸した。
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2014-03-11 09:15