テラは売り一巡して下げ渋り感、調整のほぼ最終局面
バイオベンチャーのテラ <2191> (JQS)の株価は、全般地合い悪化も影響して安値圏で推移しているが、足元では売り一巡して下げ渋り感を強めている。調整のほぼ最終局面のようだ。きっかけ次第で動意の可能性があるだろう。
東京大学医科学研究所発のバイオベンチャーで、樹状細胞ワクチン療法を中心とした独自のがん治療技術を契約医療機関に提供する細胞治療技術開発事業と、医療機関から受託する細胞加工施設の運営・保守管理サービスや治験支援サービス(CRO事業)などの細胞治療支援事業を展開している。
細胞治療技術開発事業は症例数に応じた収入が収益柱である。前期(13年12月)末時点で契約医療機関数は全国33カ所、契約医療機関における累計症例数は約7600症例に達している。なお14年1月に白山通りクリニック(東京都江東区)と連携契約を締結し、契約医療機関数は全国34カ所となった。
成長戦略も加速している。13年4月iPS細胞による再生医療実用化を目指すヘリオス(旧日本網膜研究所)に出資、13年5月がん新薬を中心とした治験支援事業に参入するため子会社タイタンを設立、13年7月「免疫制御性樹状細胞の調整法およびその用途」に関する独占的実施権を取得、アンジェスMG <4563> と子宮頸がんの前がん病変治療ワクチンの共同研究・開発の基本契約を締結、13年10月北里研究所と共同で肝細胞がんに対する樹状細胞ワクチン療法の第Ⅰ相臨床試験を開始、13年12月iPS細胞を利用したがん免疫細胞療法の開発に向けてヘリオスと業務提携した。
さらに14年1月には連結子会社テラファーマを設立した。がん治療用再生医療等製品として樹状細胞ワクチン「バクセル」の承認取得を目指す。14年2月にはゲノム解析ソフトウェア開発のジナリスと合弁会社ジェノサイファー(連結子会社)を設立した。がん患者における個別化医療実現のための新たなBtoBサービスを構築してゲノム診断支援事業を推進する。
今期(14年12月期)の連結業績見通しは売上高が前期比35.7%増の20億90百万円、営業利益が1億35百万円の赤字(前期は23百万円の黒字)、経常利益が1億56百万円の赤字(同24百万円の赤字)、純利益が1億54百万円の赤字(同58百万円の赤字)としている。樹状細胞ワクチン「バクセル」の再生医療等製品としての承認取得に向けた研究開発費増加など、先行投資負担で営業損益が悪化する見込みだ。ただし売上高については、症例数増加や細胞治療支援事業の業容拡大などで大幅増収見込みとしている。
株価の動きを見ると、2500円近辺でのモミ合い展開から下放れの形となって水準を切り下げた。1月下旬~2月上旬の全般地合い悪化に加えて、今期営業損益の悪化見通しを嫌気したようだ。ただし昨年6月安値1500円を割り込むことなく、2月4日の直近安値1585円をボトムとして反発し、2月26日には2210円まで戻す場面があった。足元は1800円~2000円近辺で推移して下げ渋り感を強めている。3月10日の終値は1877円だった。日足チャートで見ると25日移動平均線を突破する動きを強めている。きっかけ次第で動意の可能性があるだろう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)
バイオベンチャーのテラ<2191>(JQS)の株価は、全般地合い悪化も影響して安値圏で推移しているが、足元では売り一巡して下げ渋り感を強めている。
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2014-03-11 09:30