Jトラストは出直りの動き鮮明、積極的な業容拡大戦略を評価

  Jトラスト <8508> (東2)の株価は軟調展開が続いたが、足元で出直りの動きを鮮明にしている。積極的な業容拡大戦略を評価して強基調に転換する流れだろう。   M&Aや債権承継などの積極活用で業容を拡大し、事業者向け貸付、消費者向け貸付、クレジット・信販、信用保証、債権買取などの金融サービス事業、および不動産事業、アミューズメント事業、海外金融事業(消費者金融業、貯蓄銀行業)、その他事業(システム開発など)を展開している。   国内金融分野では、日本保証(12年3月ロプロが武富士の消費者金融事業を承継、12年9月ロプロと日本保証が合併)、KCカード(11年8月楽天KCを子会社化)、クレディア(12年7月子会社化)、国内不動産分野・アミューズメント分野ではアドアーズ <4712> (12年6月子会社化)などを傘下に置き、西京カードについては14年1月に保有株式を西京銀行に譲渡した。なお13年12月には、整理回収機構に対する借入金等の債務について期限前の完済を行い、財務基盤を強化している。   海外金融分野では、11年4月に消費者金融の韓国・ネオラインクレジット貸付を子会社化した。韓国・親愛貯蓄銀行(12年10月に貯蓄銀行認可)は未来貯蓄銀行の一部資産・負債を承継し、13年1月に韓国・ソロモン貯蓄銀行から、13年6月に韓国・エイチケー貯蓄銀行から消費者信用貸付債権の一部を譲り受けた。13年12月にはJトラスト・アジア(シンガポール)が、インドネシアのマヤパダ銀行と資本業務提携した。2月12日には韓国・ハイキャピタル貸付の子会社化を発表した。韓国・親愛貯蓄銀行と合併させる予定だ。2月14日には韓国・ケージェイアイ貸付(KJI)の子会社化を発表した。   今期(14年3月期)連結業績見通しは非開示としている。13年5月のライツ・オファリングによる調達資金976億円で金融事業を中心に債権買取やM&Aを予定しているが、現時点では合理的な業績予想の算定が困難なためとしている。第3四半期累計(4月~12月)は、グループ事業規模拡大に伴う人件費や経費の増加、韓国・親愛貯蓄銀行における貸倒関係費用増加、クレディアに対する訴訟関連での訴訟損失引当金繰入などで大幅減益だったが、積極的な業容拡大戦略で中期的に収益拡大が期待される。   株価の動きを見ると、13年5月のライツ・オファリング以降は軟調展開が続いたが、2月4日の昨年来安値905円をボトムとして急反発し、水準切り上げの展開となった。足元では3月11日に前日比94円(7.53%)高の1343円まで急伸した。2月13日の第3四半期累計業績発表でアク抜け感が強まり、2月21日に主要株主のタイヨウ・ファンドの保有比率上昇が判明したことも材料視された可能性があるだろう。今季ユニフォームスポンサー契約したJ2リーグのFC岐阜が好調なスタートを切ったことも話題だろう。   3月11日の終値は1343円だった。指標面で見ると今期予想配当利回り(会社予想の年間10円で算出)は0.7%近辺、実績PBR(今期第3四半期累計実績の連結BPS1394円23銭で算出)は1.0倍近辺である。日足チャートで見ると25日移動平均線が上向きに転じ、週足チャートで見ると戻りを押さえていた13週移動平均線突破の動きを強めている。強基調に転換して出直り展開となりそうだ。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)
Jトラスト<8508>(東2)の株価は軟調展開が続いたが、足元で出直りの動きを鮮明にしている。積極的な業容拡大戦略を評価して強基調に転換する流れだろう。
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2014-03-12 09:15