キムラユニティーは株式売出し嫌気して反落したが売り一巡、中期成長力を評価して出直り
総合物流サービスのキムラユニティー <9368> の株価は株式売出を嫌気して高値圏から反落したが、足元では売り一巡感を強めている。中期成長力も評価して出直り展開だろう。
トヨタ自動車 <7203> の補給部品・KD包装を主力とする総合物流サービス企業である。物流サービス事業を主力として、車両リースや車両整備などの自動車サービス事業、情報サービス事業、人材サービス事業を展開し、その他事業では太陽光発電による売電事業も開始した。
物流サービス事業では、トヨタ自動車の海外生産拡大に合わせて中国など海外展開を加速するとともに、物流請負のNLS(ニュー・ロジスティクス・サービス)で新規顧客開拓と生産性改善を強化している。NLSはネット通販市場の拡大も追い風として中期成長期待が強く、改善活動の成果として生産性も着実に向上している。
米国子会社は13年7月、カナダの大手自動車部品メーカーMAGNAグループのDRIVE社から物流請負を新規受注した。増収効果や生産性改善効果で収益改善が期待される。また13年11月には、名古屋市で日本最大級の軽自動車販売専門店を運営するスーパージャンボを子会社化(株式取得は12月)した。自動車サービス事業への相乗効果を見込んでいる。
今期(14年3月期)連結業績見通しは売上高が前期比4.8%増の406億円、営業利益が同13.9%増の15億50百万円、経常利益が同2.0%増の17億円、純利益が同7.6%増の10億円としている。トヨタ自動車の生産台数増加、格納器具製品の受注増加、NLSの生産性改善、米国子会社の収益改善など物流サービス事業の好調が全体を牽引する。
下期の不透明感が強いとして期初予想を据え置いているが、第2四半期累計(4月~9月)は期初計画を上回り、通期見通しに対する進捗率も順調な水準だ。想定為替レートは1米ドル=92円と保守的であり、営業外での為替差益も上振れ要因として期待される。通期増額の可能性が高いだろう。
なお12月2日に、株式の分布状況改善と流動性向上を目的として株式売出を発表した。売出株式数は合計63万株(オーバーアロットメントによる売出9万4500株を除く)で、売出価格958円、受渡日12月18日である。
株価の動きを見ると、1000円台の戻り高値圏で堅調に推移していたが、株式売出を嫌気する形で反落して水準を切り下げた。12月17日には949円、12月18日には948円まで調整する場面があった。ただし、いずれも終値では前日比プラス圏に切り返している。株式売出を嫌気した売りが一巡した可能性があるだろう。
12月18日の終値963円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS82円86銭で算出)は11~12倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間22円で算出)は2.3%近辺、実績PBR(前期実績の連結BPS1812円82銭で算出)は0.5倍近辺である。週足チャートで見ると13週移動平均線と26週移動平均線を一旦割り込んだが、52週移動平均線が接近してサポートラインとなりそうだ。9月安値939円を割り込まなければ出直り展開だろう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)
総合物流サービスのキムラユニティー<9368>(東1)の株価は株式売出を嫌気して高値圏から反落したが、足元では売り一巡感を強めている。中期成長力も評価して出直り展開だろう。
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2013-12-19 10:00