インフォコムは10月急伸の調整一巡、電子書籍配信の好調を評価へ
ITソリューションやコンテンツ配信などのインフォコム <4348> (JQS)の株価は、10月高値圏から急反落したが、第2四半期累計(4月~9月)の減益を嫌気した売りが一巡して下値を切り上げている。電子書籍配信などネットビジネスは好調であり出直り展開だろう。
企業向け(BtoB市場)にITソリューション・サービスを提供するITサービス事業、一般消費者向け(BtoC市場)に各種デジタルコンテンツを提供するネットビジネス事業を展開している。06年に開始した電子書籍配信サービス「めちゃコミック」は国内トップクラスの規模で、3通信キャリアの公式メニュー掲載順位において1位を独占している。
M&Aや戦略的アライアンスも積極活用している。13年9月に医薬品業界向けCRM事業強化に向けてミュートスと合弁会社インフォミュートスを設立し、BCP(事業継続計画)分野のビジネス拡大に向けて危機管理関連ソリューションを手掛ける江守商事 <9963> との協業を開始した。13年11月にはTBSテレビとマーケティング分析サービスの企画開発で協業し、14年1月から消費者嗜好分析サービスの提供を開始する。
重点事業領域として、電子書籍配信などのネットビジネス事業、医療機関・製薬企業向けヘルスケア事業、Web-ERPソフト「GRANDIT」事業を掲げ、クラウドサービス関連、ソーシャルメディア関連、ビッグデータ領域のデータサイエンス関連、農業IT化関連なども強化する方針だ。ネットビジネス事業を分社化したアムタスは13年11月に新たな電子書籍配信サービス「ekubostore」をオープンし、6000冊を超える小学館作品の提供も開始した。
今期(14年3月期)連結業績見通しは売上高が前期比7.0%増の400億円、営業利益が同2.8%増の36億円、経常利益が同3.2%増の36億円、純利益が同5.8%増の22億円としている。成長に向けたシステム開発関連の先行投資や広告宣伝費増加などで小幅営業増益にとどまるが、ITサービス事業はヘルスケア関連の業容拡大、ネットビジネス事業は電子書籍関連の好調が牽引して増収増益見込みだ。さらに来期(15年3月期)は先行投資の効果が本格寄与して一段の収益拡大が期待される。
株価の動き(10月1日付で株式200分割)を見ると、10月25日の年初来高値1124円から11月1日の818円まで急反落したが、第2四半期累計の減益を嫌気した売り一巡後は下値を切り上げる展開だ。12月10日には982円まで戻す場面があった。出直り展開のようだ。
12月18日の終値924円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS79円60銭で算出)は11~12倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間17円50銭で算出)は1.9%近辺、実績PBR(株式200分割を考慮した前期実績連結BPS641円83銭で算出)は1.4倍近辺である。週足チャートで見ると26週移動平均線近辺で下げ止まり、さらに13週移動平均線を突破して強基調への回帰を確認した形だろう。電子書籍配信などネットビジネスの好調を評価して出直り展開となりそうだ。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)
ITソリューションやコンテンツ配信などのインフォコムの株価は、10月高値圏から急反落したが、第2四半期累計(4月~9月)の減益を嫌気した売りが一巡して下値を切り上げている。
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2013-12-19 10:00