ドル高円安を後押しするかも-FOMCプレヴュー-=村上尚己
今週、世界の株式市場は大きな材料がない中で、やや軟調である。ただ、2月26日、3月3日レポートで紹介したが、米株式市場(楽観的)と米債券市場(慎重)の乖離については、先週末の2月雇用統計改善で長期金利が一時2.8%を超え、縮小しつつある(グラフ参照)。
今週、金利上昇は一服しているが、今後発表される経済指標は、寒かった2月分も含まれており、全てが雇用統計のような結果ではなく、強弱入り混じるだろう。ただ、春が近づき改善する米経済指標が増え、先行して改善している米株式市場に追いつく格好で米長期金利は上昇すると予想している。
来週FOMCでは、イエレン新議長のもとで初めて会合が行われる。既に始まっているテーパリング(資産買い取り縮小)が100億ドルから減額されるとの思惑もあるが、その可能性は低いだろう。いわゆるフォワードガイダンスの扱いを含め、まずは新メンバーで意見の集約や調整が行われるだろう。来週のFOMCでサプライズが起きる可能性は高くない。
FOMC声明文より相場の材料になりそうなのは、イエレン議長の記者会見だろう。雇用統計などを踏まえ、テーパリングを現行路線で継続する考えに言及するとみられる。それが、テーパリング継続に対するFRBの意欲の強さとみなされ、米長期金利の一段の上昇をもたらすかもしれない。
なお、1月半ば以降米長期金利と、ドル円の連動性はかなり強まっている。FOMCで米金利が上昇すれば、円安ドル高基調を後押しするだろう(グラフ参照)。 (執筆者:村上尚己 マネックス証券チーフ・エコノミスト 編集担当:サーチナ・メディア事業部)
今週、世界の株式市場は大きな材料がない中で、やや軟調である。ただ、 2月26日、3月3日レポートで紹介したが、米株式市場(楽観的)と米債券市場(慎重)の乖離については、先週末の2月雇用統計改善で長期金利が一時2.8%を超え、縮小しつつある(グラフ参照)。
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2014-03-12 17:30