相場の値動きが荒い理由=広木隆

 昨日の日銀金融政策決定会合では現状維持が決定された。僕がひそかに期待していた追加緩和は見送られた。日経平均は一時売りに押され、あわや前日比マイナスに転じる寸前まで上げ幅を縮めたものの、その後は再び堅調となり結局100円程度高く引けた。3月10日付レポートでは、<「現状維持」=「ゼロ回答」、それがコンセンサスだ。であるなら、失望売りはないはずだ、初めから期待が高くないのだから>と述べた。そこまでは想定通り。そのあとに述べた部分は読みが外れた。  <むしろ、今回、「ゼロ回答」ならば次回、4月会合には追加緩和期待がかなり高まるだろう。それは、ここから1カ月、下値を売り込むような動きを抑制することにつながるはずである。いずれにせよ、下値は堅いと思う>と述べたのだ。  そう述べた矢先に、日経平均は急落。今日の前場は全面安商状となり、日経平均は一時300円安を超えるところまで下げ幅を拡大した。1万5000円の大台を割り込み、バリュエーション面の割安感も台頭しようというのに、一向に買いが入ってこない。もう、ほんとうに、いやになるくらいに、繰り返し繰り返し何度も述べていることだが、「投資家不在」。ファンダメンタルズに注目し中長期で投資する投資家がいない。日本株投資家層の厚みがない。それがこの「一方通行相場」の根本的な理由である。同じ嘆きを何度も読まされる読者のほうも辟易とされていることだろう。分かっちゃいるが溜め息が止まらない。(執筆者:広木隆 マネックス証券チーフ・ストラテジスト 編集担当:サーチナ・メディア事業部)
昨日の日銀金融政策決定会合では現状維持が決定された。僕がひそかに期待していた追加緩和は見送られた。日経平均は一時売りに押され、あわや前日比マイナスに転じる寸前まで上げ幅を縮めたものの、その後は再び堅調となり結局100円程度高く引けた。3月10日付レポートでは、<「現状維持」=「ゼロ回答」、それがコンセンサスだ。であるなら、失望売りはないはずだ、初めから期待が高くないのだから>と述べた。そこまでは想定通り。そのあとに述べた部分は読みが外れた。
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2014-03-12 18:00