「我が国のシャドーバンキングは小規模」中国工商銀行の元頭取発言に、「信用危機はこれからだ」=中国版ツイッター

中国4大銀行の1行である中国工商銀行の元頭取である楊凱生氏はこのほど、問題視されている中国のシャドーバンキングについてコメントし、「シャドーバンキングは時限爆弾だとの見方があるが、そのような見方には苦笑せざるを得ない」と一笑に付し、大きな問題ではないとの見方を示した。
楊氏によれば、中国の国内総生産(GDP)に占めるシャドーバンキングの割合は10%前後にすぎず、中国国内のシャドーバンキングのボリュームは米国や他の先進国と比べても非常に小さく、「いわゆる時限爆弾は存在しない」のだという。楊氏の発言は無駄な混乱を抑える意図があったかもしれないが、問題の当事国で金融に携わっていた立場でありながら見方があまりに楽観的であり、逆に不安すら覚える。
事実、JPモルガン・チェースの中国首席エコノミスト朱海斌氏は、「過去数年間でシャドーバンキングの規模が急速に膨張した」と指摘している。2010年は国内総生産(GDP)の約46%にあたる18兆3000億元(約307兆2570億円)だったシャドーバンキングの規模は、12年にはGDPの約70%にあたる36兆元(約604兆4400億円)にまで増加したと主張、楊氏の発言とは真っ向から対立している。
世界的に注目を集める中国のシャドーバンキング問題について、中国のネットユーザーたちはどのように考えているのだろうか。中国の簡易投稿サイト・微博での反応を見てみると「楊氏の発言は自己欺瞞だ」など、信用に値しないとの見方が多く寄せられた。
また「シャドーバンキングは中国版サブプライムローンだろ。信用危機はこれから来ると思う」、「時限爆弾は存在しないとは言い過ぎじゃないか? 外国の例を見ると、経済衰退の影響を最初に受けるのがいわゆるシャドーバンキングだ」と、多くの中国人ユーザーが楊氏とは真逆の見方をしているようだ。
ほかにも「シャドーバンキングの規模は要点ではない。問題はどのように管理しているかだ。外国と同じ管理レベルに達しているのか?」と疑問を投げかけるユーザーや、「株価と同じで、いったん下り坂に入ったら崩壊はやってくる」と、時間の問題だとのコメントもあり、多くの中国人ネットユーザーが楊氏のコメントをまったく信用していないことが見て取れた。(編集担当:畠山栄)(写真は「CNSPHOTO」提供、中国工商銀行元頭取・楊凱生氏、2009年7月撮影)
中国4大銀行の1行である中国工商銀行の元頭取である楊凱生氏はこのほど、問題視されている中国のシャドーバンキングについてコメントし、「シャドーバンキングは時限爆弾だとの見方があるが、そのような見方には苦笑せざるを得ない」と一笑に付し、大きな問題ではないとの見方を示した。(写真は「CNSPHOTO」提供、中国工商銀行元頭取・楊凱生氏、2009年7月撮影)
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2014-03-13 11:00