中国の自由貿易試験区、上海に続き天津と広東に年内設置の可能性
2013年9月に中国(上海)自由貿易試験区が設けられ矢継ぎ早に各種規制緩和など新政策が発表・適用されたことで、中国で「次の自由貿易試験区はどこになるのか」ということが注目されるようになった。現在までに20以上の省や市が中央政府に設立申請したとされるが、「短期間に数多くの試験区を設けるとは思えない。2014年内に可能性があるのは1、2カ所」、「天津と広州(広東省)が有力」などの見方が出ている。中国新聞社が報じた。
中国政府は2014年冒頭の工作報告で自由貿易試験区について「若干の新しい試験ポイントを展開する」と表明した。
商務部研究員の霍建国院長は「政府工作報告では、自由貿易区を拡大する言い方がさらに明らかになった。今年も試験ポイントを拡大する可能性が比較的大きい」と述べた。
上海における自由貿易試験区の設置を中央政府が許可したのは2013年7月で、その後、20以上の省や市が設立を申請。うち12カ所については、中央政府の各部署が検討作業に入ったとされる。
自由貿易試験区開設に「もっとも近い位置」にあるとされるのが天津市と広東省だ。中国共産党天津市委員会の孫春蘭書記は3月9日、「天津市はさらに、自由貿易試験区開設の許可を得るべく努力する。現在のところ中央政府の30以上の部門の支持を得ている」、「天津市が(自由貿易試験区開設の)最前列だ」と述べた。
一方で中国人民銀行広州分行の王景武頭取も3月になり、広東省も自由貿易試験区開設のため、中央政府の各部門の意見を求めている段階だと述べた。
霍院長は、試験区の今後の展開について、上海と少数の新たな試験区だけを開設し、重要な成果を上げてから、全面的に設置する可能性が高いとの見方を示した。
関係者からは、2014年内に新たな試験区が設置されるのは1、2カ所だろうとの見方が出ている。順当ならば、天津と広東である可能性が高い。
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◆解説◆
中国語の「貿易(マオイー)」は英語の「trade(トレード)」に相当する用語で、商取引全般を指す。国内における取り引きも「貿易」の語であらわす。国外の貿易を特に指す場合には「外貿(ワイマオ)」と表現するのが一般的だ。
したがって、「中国(上海)自由貿易試験区」の「貿易」は外国との貿易だけを指すのではなく、中国国内における商取引全般を指す。ただし同試験区は規制撤廃などのテストケースとして設けられたもので、対象は中国内外の法人と経済活動において関係する個人だ。そのため、「中国(上海)自由貿易試験区」における「貿易」では、日本でいう「貿易(国外との取り引き)」に関連する部分の比重が大きい。(編集担当:如月隼人)
2013年9月に中国(上海)自由貿易試験区が設けられ矢継ぎ早に各種規制緩和など新政策が発表・適用されたことで、中国で「次の自由貿易試験区はどこになるのか」ということが注目されるようになった。現在までに20以上の省や市が中央政府に設立申請したとされるが、「短期間に数多くの試験区を設けるとは思えない。2014年内に可能性があるのは1、2カ所」、「天津と広州(広東省)が有力」などの見方が出ている。中国新聞社が報じた。
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2014-03-13 16:15