アスカネットは反発のタイミング、空中結像技術への期待感強い
写真関連のアスカネット <2438> (東マ)の株価は1月の戻り高値圏から急反落して水準を切り下げたが、利益確定売りが一巡して反発のタイミングだろう。好業績に加えて空中結像技術「AIプレート」への期待感は強い。
葬儀社・写真館向け遺影写真合成・加工関連のメモリアルデザインサービス事業、オリジナル写真集製作関連のパーソナルパブリッシングサービス事業を主力としている。遺影写真は葬儀関連、写真集はウエディング関連や卒業・入学イベント関連などが主力市場であり、景気変動の影響を受けにくく安定収益源となっていることが特徴だ。
新規事業のエアリアルイメージング(AI)事業が注目点だ。13年10月開催の「CEATEC JAPAN 2013」で空中結像の新ディスプレー「AIプレート」がキーテクノロジ部門で準グランプリを受賞し、13年11月ドバイ・モーターショーには「AIプレート」を搭載した世界最高価格のスーパーカーが出展された。低価格での量産技術確立を最優先課題としているため本格量産時期は未定だが、試作品の販売を開始して実用化・量産化に向けて前進した形だ。
3月5日発表の今期(14年4月期)第3四半期累計(5月~1月)の業績(非連結)は前年同期比4.8%増収、同16.3%営業増益、同16.1%経常増益、同16.4%最終増益だった。主力事業が堅調に推移し、先行費用などを吸収して増収増益だった。
セグメント別に見ると、メモリアルデザインサービス事業は遺影写真加工収入などが堅調に推移して同5.3%増収、びわこオペレーションセンター開設に伴う先行費用を吸収して同1.3%営業増益(全社費用等調整前)だった。パーソナルパブリッシングサービス事業は新製品・サービス投入も寄与して同4.1%増収、前期に実施した戦略的な広告宣伝費や販売促進費が通常ベースに戻ったことも寄与して同36.9%営業増益だった。AI事業は研究開発や特許申請などの費用が先行して売上高が21百万円、営業利益が56百万円の赤字だった。
通期の見通しは前回予想(6月10日公表)を据え置いて、売上高が前期比7.7%増の48億83百万円、営業利益が同4.5%増の6億86百万円、経常利益が同3.9%増の6億90百万円、純利益が同4.0%増の4億23百万円としている。新製品・サービス投入も寄与してメモリアルデザインサービス事業、パーソナルパブリッシングサービス事業とも好調に推移する。
びわこオペレーションセンター開設に伴う費用増加、AI事業での研究開発や特許申請などの費用先行で小幅増益見通しとしているが、通期見通しに対する第3四半期累計(13年5月~10月)の進捗率は売上高が72.5%、営業利益が84.7%、経常利益が84.8%、純利益が84.6と高水準である。通期増額の可能性があるだろう。
株価の動きを見ると、1月の戻り高値8860円から反落し、全般地合い悪化の影響も受けて2月5日に3915円まで下押す場面があった。その後2月25日に5780円まで戻したが、足元では4000円台前半まで水準を切り下げている。第3四半期累計は好業績だったが、材料出尽くしで利益確定売りが優勢になったようだ。
3月13日の終値4260円を指標面で見ると、今期予想PER(会社予想のEPS101円04銭で算出)は42倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間30円で算出)は0.7%近辺、そして実績PBR(前期実績のBPS803円45銭で算出)は5倍近辺である。日足チャートで見ると25日移動平均線が戻りを押さえる形になったが、週足チャートで見ると52週移動平均線に接近している。利益確定売りが一巡して反発のタイミングだろう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)
写真関連のアスカネット<2438>(東マ)の株価は1月の戻り高値圏から急反落して水準を切り下げたが、利益確定売りが一巡して反発のタイミングだろう。
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2014-03-14 09:30