パナソニックの「大気汚染手当」に見解分かれる、「良心的な企業」「中国人従業員も主張すべき」=中国版ツイッター

パナソニックが13日、2014年春季労使交渉における合意のひとつとして、中国駐在員に対する生活環境差手当の増額を発表したと中国メディア・環球網が報じた。
環球網は、パナソニックが一部の都市で高い数値となっているPM2.5のデータを根拠に、中国に駐在する従業員へ大気の重度汚染の危害を補償するための「(大気)汚染手当」と伝えている。中国で操業する日本企業では初めてとされるが、中国人従業員には支給されないという。手当の対象になる従業員数や具体的な金額については明らかにされていない。
中国の簡易投稿サイト・微博で経済情報を伝える専門アカウント新浪財経は「パナソニックが日本人社員には大気汚染手当を支給する一方、中国人社員には支給しない方針」であることを紹介し、日本人が深刻な大気汚染に見舞われる中国に赴任することは「苦労ばかりで得るものの少ない仕事」であるためと論じたところ、微博ユーザーからさまざまなコメントが寄せられた。
微博ユーザーらの反応は、大半が“中国人従業員に手当が支払われない”ことに対する反発で、「中国人従業員はこの空気を吸っていろということか」、「小日本は中国人をイジメている! なんて憎らしいんだ!」など、不公平だとの意見が多く寄せられた。
そのため「手当をもらえない従業員はみんなで1週間ストライキをしたらいい。そうすればパナソニックは誰に手当を支給すべきかが分かる」というユーザーもいて、中国人従業員に「手当を主張すべき」との意見が並んだ。
しかし、「日本人に手当が出るのは“汚いところに行かなければならない”からだ。中国人はもともと汚いところに住んでいるのだから仕方ない。これは事実だから罵(ののし)ってもどうしようもないさ」と、道理にかなったコメントを寄せるユーザーや、「パナソニックは良心的な企業だな」、「何も間違っていない」と、パナソニックの対応を評価するユーザーもおり、冷静な見方のできる中国人も少数ながらいるようだ。
結局のところ、パナソニックが「大気汚染手当」を支給せざるを得ないということは、日本人社員が“大気汚染が深刻な中国”に赴任したがらないからではないだろうか。ネットユーザーからも「今回の件は中国の恥であると同時に、自分でまいた種でもある」というコメントがあり、中国には早急に大気汚染を改善すべく取り組みをしてもらいたいものだ。(編集担当:畠山栄)(イメージ写真提供:(C)Lucian Milasan/123RF.COM)
パナソニックは13日、中国に赴任する駐在員に「大気汚染手当」を支給すると発表した。(イメージ写真提供:(C)Lucian Milasan/123RF.COM)
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2014-03-15 19:15