今週の為替相場見通し(2014年3月17日-)=為替王

 米ドル円は、今月始めは勢いよく円安が加速したにもかかわらず、突然勢いが止まって反落。今月初旬の101円台前半の水準まで戻ってきてしまいました。状況としては非常に厳しいです。方向性は下向き。具体的な目処についてですが、1ドル=100円の水準は特に下支えしてくれるようなサポート帯にはならないかもしれません。100円の大台割れは通過点で、とりあえず99円台突入。さらに言えば、昨年暮れの大きな円安相場が始まる前の水準、すなわち98~97円へと回帰する可能性も比較的高いのではないかと考えます。逆に今週もし反発する場面があるとすれば、102円台前半あたりが目処になりやすいと考えます。  米ドル円と同じように円安拡大の期待が高かっただけに、より厳しい状況に陥っているのがポンド円。完全に腰折れて、さらなる下落リスクを示唆するシグナルがチャート分析において出ています。先週は大幅に下落しましたので、もし反発するとすれば170円台前半の水準が考えられますが、比較的大きな円高に発展するリスクを警戒したいです。下落目処としましては、目先は先週の安値168円近辺が浮上します。ただ、依然としてGBP/USD相場も厳しい状況(ポンド下落を示唆する状況)であることも踏まえますと、2月上旬の急落時の水準、すなわち165円割れの水準も覚悟しておきたい状況ではないかと思います。そのGBP/USD相場についてですが、先週末はなんとか1.66台をキープして終えました。が、引き続き、1.65割れあたりへとポンド下落の動きが拡大するリスクを抱えた状態と考えます。  他に厳しい状況の通貨を挙げればカナダドル。カナダドル円は、もともと1月の急落後に反発する力が弱く、重たい雰囲気だったのですが、さらなる下落示唆も出ています。先週末は91円台で終えましたが、今回の下落示唆により、昨年4月以降ずっとキープしてきた90円の大台も割り込んでしまうリスクを抱えた状態だと判断します。  現在、比較的ましな状態なのが、豪ドルとユーロ。先週末時点で特に明確な下落トレンド入りを示唆するようなシグナルは出ていません。背景として、ユーロも豪ドルも対米ドル相場が比較的堅調なことが挙げられます。EUR/USDは堅調ですが、AUD/USDは安心できません。2月以降はざっと0.89台後半~0.90台前半のレンジで推移しています。時折、下限または上限をブレイクしようかという動きが見られるのですが、先週末時点ではまたレンジ内にすっぽり収まった状況です。注意すべきは下限の0.89台後半。この水準を今週もし下抜けるようなことがありますと、今度こそ、豪ドルの大幅下落トレンドを招くリスクがありますので注視したいです。(執筆者:為替王)
米ドル円は、今月始めは勢いよく円安が加速したにもかかわらず、突然勢いが止まって反落。今月初旬の101円台前半の水準まで戻ってきてしまいました。状況としては非常に厳しいです。
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2014-03-16 17:45