きちりは下値を固めて出直り、中期成長力を評価
飲食チェーン事業とプラットフォーム事業を展開するきちり <3082> (東2)の株価は、業績見通し減額修正や全般地合い悪化の影響などで高値圏から急反落したが、その後は下値を固めて切り返しの動きを強めている。中期成長力を評価して出直り展開だろう。
カジュアルダイニング「KICHIRI」や「いしがまやハンバーグ」を主力業態とする直営店の自社ブランド展開事業、およびプラットフォーム提供や店舗受託運営などで他業種企業のブランド・コンテンツを活用するプラットフォームシェアリング事業を展開している。
自社ブランド展開事業は、13年12月末時点で直営71店舗(関西エリア44店舗、関東エリア27店舗)を展開し、新業態開発にも取り組みながら、出店余地の大きい首都圏への新規出店戦略を強化している。
一方のプラットフォームシェアリング事業は、当社が他の飲食チェーンなどに労務管理・会計・調達・1次加工・配送・取引先紹介などの本部機能を提供するクラウドサービス展開型、および優れたブランド・コンテンツを持つ企業と業務提携し、当社のプラットフォームを活用して新しいレストランビジネスを創造するブランド・コンテンツ活用型を展開している。
クラウドサービス展開型では参画企業・店舗数の増加に伴ってスケールメリットを享受でき、ブランド・コンテンツ活用型では独自性ある業態を開発できるなどのメリットがある。そして13年2月に精米機トップメーカーで「ギャバライス」ブランドのサタケ、13年4月にイタリアのバックブランド「オロビアンコ」、13年5月に福岡県「はかた地どり」生産者の農業組合法人福栄組合と業務提携している。
中長期ビジョンでは、自社ブランド展開事業およびプラットフォームシェアリング事業を軸として展開し、目標値には18年6月期売上高100億円、営業利益15億円、経常利益16億円、純利益10億円、配当性向30%(当面は20%)を掲げている。事業別には、自社ブランド展開事業が100店舗で売上高94億円、プラットフォームシェアリング事業が契約店舗数500店舗(契約売上規模300億円)で営業利益6億円を目標としている。
今期(14年6月期)業績(非連結)見通し(1月24日に減額修正)は、売上高が前期比14.1%増の71億円、営業利益が同4.5%減の5億40百万円、経常利益が同4.2%減の5億80百万円、純利益が同1.1%増の3億48百万円としている。昨年9~10月の天候不順の影響で既存店売上高が想定を下回り、人材採用による販管費増加なども影響したため減額したが、自社ブランド展開事業の新規出店効果やプラットフォームシェアリング事業の拡大などで増収見込みだ。
株価の動き(13年7月1日付で株式3分割、14年1月1日付で株式2分割)を見ると、今期業績見通しの減額修正や全般地合い悪化の影響で高値圏の550円~600円近辺から急反落し、2月4日に411円まで下押す場面があった。ただし2月4日の直近安値をボトムとして切り返しの動きとなった。足元は概ね470円~490円近辺で推移している。売り一巡して下値を固めた形だろう。
3月14日の終値478円を指標面で見ると、今期予想PER(会社予想のEPS34円28銭で算出)は13~14倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間7円50銭で算出)は1.6%近辺である。週足チャートで見ると急反落して26週移動平均線を割り込んだ。しかし13年7月の安値398円まで下押すことなく長い下ヒゲを付けて反発している。下値を固めて出直り展開だろう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)
飲食チェーン事業とプラットフォーム事業を展開するきちり<3082>(東2)の株価は、業績見通し減額修正や全般地合い悪化の影響などで高値圏から急反落したが、その後は下値を固めて切り返しの動きを強めている。
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2014-03-17 09:15