ティー・ワイ・オーは収益改善や高配当を評価し反発のタイミング

  広告代理店向けTV-CM制作大手のティー・ワイ・オー <4358> の株価は1月の昨年来高値から反落したが、収益改善基調や高配当利回りを評価して反発のタイミングだろう。   広告代理店向けのTV-CM企画・制作事業を主力として、WEB広告やプロモーションメディア広告の企画・制作などマーケティング・コミュニケーション事業も展開している。不採算事業の縮小・撤退などによって事業構造改革を推進し、13年5月にはマーケティング・コミュニケーション事業内で不採算だったテオーリア事業部を譲渡した。   3月12日発表の今期(14年7月期)第2四半期累計(8月~1月)の連結業績は前年同期比5.0%減収、同21.2%営業減益、同24.5%経常減益、同44.6%最終減益だった。顧客側が消費者購買意欲喚起に向けてTV-CMを4月の消費増税前後に先送りする傾向が強まり、第2四半期(11月~1月)に予定していた一部大型案件の検収が第3四半期(2月~4月)にズレ込んだため、売上高・利益とも計画を下回り減収減益だった。営業外での上場関連費用なども影響した。ただし受注は好調であり、期ズレ分が積み上がったことで第2四半期累計末の受注残高は74億23百万円と同21.4%増加した。   セグメント別に見るとTV-CM事業は売上高が同2.1%減の87億67百万円、営業利益(全社費用等調整前)が同4.7%増の15億48百万円だった。期ズレの影響で減収だったが、利益管理を徹底する売上原価・販管費削減効果で営業増益だった。マーケティング・コミュニケーション事業は売上高が同10.6%減の24億20百万円、営業利益が44百万円の赤字(前年同期は40百万円の利益)だった。動画制作費の増加で営業損益が悪化した。ただしテオーリア事業譲渡の影響を除く既存事業ベースでは増収のようだ。   通期の見通しは前回予想(9月12日公表)を据え置いて、売上高が前期比6.0%増の265億円、営業利益が同13.8%増の17億円、経常利益が同10.8%増の15億40百万円、純利益が同10.1%増の8億90百万円としている。第2四半期累計の計画未達は売上の期ズレが主因であり、特にネガティブ要因とはならない。主力のTV-CM事業は自動車、電気・情報通信、飲料、衣料業界向けを中心に好調が続いている。大型案件増加や大口広告主からの直接受注増加、さらに人件費の先行投資一巡なども寄与する。   13年9月に発表した新中期経営計画では目標数値として16年7月期売上高320億円、営業利益21億50百万円などを掲げ、株主還元として配当性向25%以上と株主優待の継続的実施の方針を示している。景気回復も背景に広告市場は拡大基調であり、TV-CM制作業界では当社を含む大手制作3社による寡占化傾向を強めている。20年東京夏季五輪も追い風となるため事業環境は中期的に良好だろう。海外展開はASEAN+インドでのクリエイティブ企業のネットワーク構築を目指し、現地の独立系エージェンシーに対するM&Aを検討しているようだ。   株価の動き(13年10月25日付でJASDAQ市場から東証2部市場に市場変更、14年1月30日付で東証2部市場から東証1部市場に指定替え)を見ると、東証1部市場への指定替え発表を好感して付けた1月の昨年来高値209円から反落し、全般地合い悪化の影響を受けて水準を切り下げた。足元では第2四半期累計の減収減益も嫌気されて3月14日に158円まで調整する場面があった。ただし3月14日の下げは地合い悪化の影響が大きく、2月4日に付けた直近安値155円に接近して調整のほぼ最終局面だろう。   3月14日の終値159円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS14円90銭で算出)は10~11倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間6円で算出)は3.8%近辺、実績PBR(前期実績の連結BPS70円01銭で算出)は2.3倍近辺である。週足チャートで見ると1月の高値で上ヒゲを付けて反落し、足元では26週移動平均線を割り込んだが、52週移動平均線がサポートラインとなりそうだ。高配当利回りにも評価余地があり出直り展開だろう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)
広告代理店向けTV-CM制作大手のティー・ワイ・オー<4358>(東1)の株価は1月の昨年来高値から反落したが、収益改善基調や高配当利回りを評価して反発のタイミングだろう。
economic
2014-03-17 09:15