星光PMCは過熱感解消、CNFに対する期待感強い
製紙用薬品の星光PMC <4963> の株価は急騰した3月高値から一旦反落したが、足元では目先的な過熱感が解消した。CNF(セルロースナノファイバー)に対する期待感が強く動意のタイミングだろう。
DIC <4631> の子会社で製紙用薬品事業、印刷インキ用・記録材料用樹脂事業を展開している。中期経営目標としては18年12月期の連結売上高350億円(製紙用薬品事業200億円、樹脂事業150億円)、連結営業利益35億円、売上高営業利益率10%、海外事業売上高比率20%、新規事業領域売上高比率10%を掲げている。
高付加価値・差別化商品の市場投入・拡販、CNFや導電性ナノ材料(銀ナノワイヤ)など成長市場・新分野開拓の戦略を推進するとともに、事業領域拡大に向けて13年11月には、興人フィルム&ケミカルズの化成品事業を承継するKJケミカルズの株式90%を取得して子会社化(株式譲渡は14年4月予定)すると発表した。
CNFは自動車用樹脂の強度・寸法安定性向上や金属部材置換、家電・モバイル機器の軽量化などでの需要が期待され、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)のCNF開発プロジェクトの中核企業として早期事業化を目指している。13年2月には経済産業省イノベーション拠点立地推進事業に採択された。補助金を活用して竜ヶ崎工場にパイロットプラントを設置し、14年度からサンプル供給を開始する予定だ。
今期(14年12月期)連結業績見通しについては売上高が261億60百万円、営業利益が11億円、経常利益が11億80百万円、純利益が7億30百万円としている。前期が9カ月決算のため単純比較はできないが、前年同期間(13年1月~12月)との比較で見ると21.7%増収、19.2%営業増益、8.0%経常減益、14.7%最終減益となる。
為替差益一巡や税金費用正常化で経常減益、および最終減益の見込みだが、需要回復、高付加価値・差別化商品の拡販、プロダクトミックス改善、事業領域拡大、海外事業の収益改善などの効果で、ロジンなど原材料価格の上昇を吸収して増収営業増益見込みだ。4月1日付で連結子会社となるKJケミカルズの業績見込みを織り込んでいるが、負ののれん発生が予想される特別利益は現時点で金額算定が困難なため織り込んでいないとしている。上振れ要因となりそうだ。
株価の動きを見ると、経済産業省が3月末をメドに次世代素材CNFの実用化ロードマップを策定するとの報道を受けて2月下旬に動意付いた。1月高値1171円を一気に突破して3月4日には1978円まで上値を伸ばす場面があった。その後は過熱感を強めて反落し、3月14日に1297円まで調整した。ただし過熱感が解消した形だ。
3月17日の終値1333円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS24円07銭で算出)は55倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間12円で算出)は0.9%近辺、実績PBR(前期実績の連結BPS663円98銭で算出)は2.0倍近辺である。週足チャートで見ると過熱感を残しているが、日足チャートで見ると25日移動平均線に対するプラス乖離率が縮小して目先的な過熱感が解消した。動意のタイミングだろう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)
製紙用薬品の星光PMC<4963>(東1)の株価は急騰した3月高値から一旦反落したが、足元では目先的な過熱感が解消した。CNF(セルロースナノファイバー)に対する期待感が強く動意のタイミングだろう。
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2014-03-18 09:15