【為替本日の注目点】ポンド再び急落

 ドル円は東京時間に113円65銭近辺まで売られたが、その後はNY市場が休場のこともあり、114円台前半で小動き。ポンドは急落。本日にもメイ首相がEU離脱単一市場からの撤退を表明するとの報道から対ドルでは1.20を割り込む。欧州の主要株式市場は続落。 ドル/円113.94 ~ 114.22 ユーロ/ドル1.0580 ~ 1.0609 ユーロ/円120.78 ~ 121.11 NYダウ ----- → 19,885.73ドル GOLD ----- →1,196.20ドル WTI  ----- → 52.37ドル 米10年国債 ----- → 2.396% 本日の注目イベント 日  11月鉱工業生産(確定値) 独  独1月ZEW景況感指数 欧  ダボス会議(スイス) 英  英12月物価統計 米  1月NY連銀製造業景気指数 米  ダドリー・NY連銀総裁講演 米  ウィリアムズ・サンフランシスコ連銀総裁講演 米  企業決算 → モルガン・スタンレー  ドル円は昨日の午後、113円65銭近辺まで売られ、先週記録した113円76銭をやや下回る円高を示現しました。トランプ新政権に対する期待が徐々に後退している中、昨日はポンドが急落したことで安全通貨の円が選好された面もあります。加えて、日経平均株価も一時は200円を超える下げを見せるなど、リスクオンがじわりと後退して来ました。今週金曜日に迫ったトランプ氏の大統領就任式も、外交政策がリスクを増大させる可能性も高まって来ました。就任式で、どのような演説をするのか世界の耳目を集めることは必至です。  英国のメイ首相が本日の講演で、EU単一市場からの撤退を表明すると報じられたことでポンドが急落し、ポンド円は昨年11月以来となる136円台まで売られました。移民制限を優勢したい英国は、移動の自由を原則とするEUからの離脱を早期に実現したいとの思惑があります。今朝の報道では、英国政府が公表した演説の抜粋によると、メイ首相は英国がEUの一部加盟国や準加盟国となることには関心がないとし、EUからの撤退を表明するとあります。(ブルームバーグ)昨年6月のBrexitで急落したポンドは、その後落ち着きを取り戻し、対円では148円台まで値を戻しましたが、再びポンド売り圧力にさらされてきました。  IMFが世界経済の見通しを発表しました。世界の成長率は昨年10月時点の3.4%で据え置きましたが、日本の成長率を0.6%から0.8%に上方修正し、米国についても2.2%から2.3%に上方修正しています。ただ、今週末に大統領に就任するトランプ氏の政策については、公約している財政刺激策による米経済の押し上げ効果は小さいと想定し、慎重な見方を示しています。このあたりは昨年のトランプラリーで、市場に楽観論が充満した際に公表されたOECDとの見方とは距離があります。また米利上げペースも昨年10月時点よりは早まると予想しているようですが、利上げ回数については明らかにしていません。(ブルームバーグ)  本日は欧州時間に行われるメイ首相の講演で相場は乱高下する可能性があります。ブルームバーグによると、英政府は投資家の不安を解消するための計画を策定しているとの関係者の情報も伝えていますが、ポンドは一旦動き出したら止まらない通貨だけに、注意が必要です。ドル円は上値が重い展開が続いていますが、113円台ではドル買い意欲もそこそこあるようです。ただ、リスクオフになると円が急騰することは昨年何度も経験しています。底値を断定的な判断にすることは避けるべきです。予想レンジは113円20銭~114円70銭程度にしたいと思います。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ・メディア事業部)(イメージ写真提供:123RF)
ドル円は東京時間に113円65銭近辺まで売られたが、その後はNY市場が休場のこともあり、114円台前半で小動き。ポンドは急落。(イメージ写真提供:123RF)
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2017-01-17 09:15