【為替本日の注目点】ドル円株高を好感し114円台後半に

東京時間に113円05銭まで売られたドル円は、株価の上昇に引っ張られ113円台半ばへ。NYではその流れが続き114円86銭まで上昇。株価が続伸したことや企業業績への期待がドルを押し上げた。ユーロドルはドル高の流れから売られ、1.06台半ばへ。
株式市場は高値近辺でもみ合い。ダウは続伸し2万100ドル台に。S&P500は小幅に下落。債券相場はほぼ変わらず。前日比下落して始まったが、7年債入札が好調だったことから下げを埋める。ドル高が進み金は続落。原油は反発し53ドル台に。
12月新築住宅販売件数 → 53.6万件
新規失業保険申請件数 → 25.9万件
12月景気先行指標総合指数 → 0.5%
ドル/円114.08 ~ 114.86
ユーロ/ドル1.0658 ~ 1.0713
ユーロ/円121.99 ~ 122.50
NYダウ +32.40 → 20,100.91ドル
GOLD -8.00 →1,189.80ドル
WTI +1.03 → 53.78ドル
米10年国債 -0.007 → 2.504%
本日の注目イベント
豪 豪第4四半期生産者物価指数
日 12月消費者物価指数
欧 ユーロ圏12月マネーサプライ
米 10-12月GDP(速報値)
米 12月耐久財受注
米 1月ミシガン大学消費者信頼感指数(確定値)
前日2万ドルの大台を達成したNYダウは、昨日も小幅ながら続伸し、引け値では2万100ドル台で取引を終えています。力強い上昇に、昨年11月のトランプ氏が大統領選で勝利した直後のラリーを彷彿させます。大統領就任直後からまさかと思った、メキシコとの国境に壁を作る大統領令に署名するなど、ネガティブな政策ではあるが、その実行力が評価され、公約の「大規模なインフラ投資や法人税減税も粛々と実行に移すだろう」との連想につながっているようです。
実際、トランプ大統領は石油パイプラインの建設を促がす大統領令にも署名を終えています。いずれの政策も企業業績にはプラスに働き、株価の押し上げ要因になって来ます。ただ株式市場は通常情報を先に織り込む傾向があるため、このまま上昇が続くかどうかは不明です。ドル円も「トランプラリーは終わった」という声をよそに、114円86銭までドル高が進み、112円台半ば~115円のレンジは継続していると思われます。
株式と債券市場に再びトランプ効果が現れてきましたが、為替市場ではまだ不透明感が払拭できていません。米金利高がドルをサポートするものの、いつトランプ大統領が「為替水準」や「保護貿易」に切り込んでくるのか分からないというのがその一因です。明らかなことは、現在のトランプ氏の政策にドル高は受け入れられないということです。輸出を増やし、輸入を減らすという基本的な考え方にドル高は合致しないということですが、それでも足元の110~120円のレンジなら問題がないのか、このあたりも今後見えてくると思われます。今夜は米国で10-12月期のGDP速報値が発表されます。
市場予想は前回よりも低めの2.2%と見ていますが、これが上振れると利上げ観測の高まりにつながり、ドル円も115円をテストする可能性があります。115円前半には「4時間足」の「120日線」があり、本日はこの辺りが上値のメドになるのではないかと予想しています。
レンジは113円70銭~115円20銭程度と見ています。先週末は115円前半までドル売りが進みましたが、結局115円台は維持されて反発しました。現時点では115円は底堅い水準かと思いますが、トランプラリーの巻き戻しが、為替だけではなく、株式や債券市場でも大規模に起こるようなら、底堅いとはいえ注意が必要です。
予想レンジは115円30銭~116円50銭程度と見ます。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ・メディア事業部)(イメージ写真提供:123RF)
東京時間に113円05銭まで売られたドル円は、株価の上昇に引っ張られ113円台半ばへ。(イメージ写真提供:123RF)
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2017-01-27 09:45