モーニングスター、「ファンドオブザイヤー2016」を受賞した40ファンドを発表

モーニングスターは1月30日、国内の公募追加型株式投資信託約5000本の中から、独自の定量分析、定性分析に基づき、2016年の運用成績が総合的に優秀であると判断されたファンド合計40本を「ファンド オブ ザ イヤー 2016」に選定し、発表した。1999年の発表から数えて今回が18回目。表彰式に先立ち、今回の選定過程を振り返ってあいさつに立ったモーニングスター代表取締役社長の朝倉智也氏は、「市場が荒れるほどにアクティブ・ファンドの価値は際立つ」と、アクティブ・ファンドを表彰している同賞の価値を強調した。
受賞ファンドは以下のとおり。「国内大型株部門」(対象ファンド:617本)の最優秀ファンド賞は、「スパークス・新・国際優良日本株ファンド」<愛称:厳選投資>(スパークス・アセット・マネジメント)。同ファンドは3年連続3回目の最優秀ファンド賞の受賞になった。優秀ファンド賞=「日本好配当株投信」(野村アセットマネジメント)、「みずほ好配当日本株オープン」(損保ジャパン日本興亜アセットマネジメント)、「ピクテ日本ナンバーワン・ファンド(毎月決算実績分配型)<愛称:NO.1>(ピクテ投信投資顧問)。
「国内株式中小型部門(対象ファンド数:250本)の最優秀ファンド賞は、「スパークス・プレミアム・日本超小型株式ファンド」<愛称:価値発掘>(スパークス・アセット・マネジメント)。優秀ファンド賞は、「三井住友・配当フォーカスオープン」(三井住友アセットマネジメント)、「東京海上・ジャパン・オーナーズ株式オープン」(東京海上アセットマネジメント)。
国内株式部門で、大型株・中小型株の2部門で最優秀ファンド賞を受賞したスパークス・アセット・マネジメントの取締役CIO常務執行役員の藤村忠弘氏は、「販売会社、受益者の方々の理解と協力があって安定的な資金が維持できてこそ、良いパフォーマンスが残せる。また、3年連続で最優秀ファンド賞を受賞できたことは、独立系の運用会社として『頑張れ』という激励の意味もあると思う。その期待に応えたい」と挨拶した。
「国際株式型部門」(対象ファンド数:1123本)の最優秀ファンド賞は、「日興レジェンド・イーグル・ファンド(毎月決算コース)」(アムンディ・ジャパン)。同ファンドは14年に優秀ファンド賞を受賞している。優秀ファンド賞は、「ブラックロック・USベーシック・バリュー・オープン」(ブラックロック・ジャパン)、「インベスコ 世界厳選株式オープン<為替ヘッジあり>(毎月決算型)」<愛称:世界のベスト>(インベスコ・アセット・マネジメント)、「ピクテ新興国インカム株式ファンド(毎月決算型)」(ピクテ投信投資顧問)、「MHAM米国好配当株式ファンド(毎月決算型)為替ヘッジあり」<愛称:ゴールデンルーキー>(アセットマネジメントOne)、「グローバル・ロボティクス株式ファンド(1年決算型)」(日興アセットマネジメント)。
国際株式型部門で最優秀賞ファンド賞を受賞したアムンディ・ジャパンの運用戦略部長ヴァイスプレジデントの茂知己氏は、「米国で伝説といわれるファンドを、日本で初めて紹介し、SMBC日興証券と三井住友銀行という優れた販社の支援を得て、大きく育てていただいた。ファンドマネージャーのマシュー・マクレナンは、投資する銘柄を選ぶ際に、家を買う時と同じ慎重さで選ぶという。すなわち、20年-30年の投資だと思って選んでいることが、長期のパフォーマンスを支えている」と好パフォーマンスの背景を紹介した。
「債券型部門」(対象ファンド数:1670本)の最優秀ファンド賞は「みずほUSハイイールドオープンAコース(為替ヘッジあり)」(アセットマネジメントOne)。優秀ファンド賞は「高利回り社債オープン(毎月分配型)」(野村アセットマネジメント)、「DWSグローバル公益債券ファンド(毎月分配型)Aコース(為替ヘッジあり)」(ドイチェ・アセット・マネジメント)、「DWSユーロ・ハイ・イールド債券ファンド(毎月分配型)Aコース(円ヘッジあり)」(ドイチェ・アセット・マネジメント)、「アムンディ・ジャパン・プラス債券ファンド」<愛称:円のソムリエ>(アムンディ・ジャパン)、「野村インド債券ファンド(毎月分配型)」(野村アセットマネジメント)、「三菱UFJ/AMPグローバル・インフラ債券ファンド<為替ヘッジなし>(毎月決算型)」<愛称:世界のいしずえ>(三菱UFJ国際投信)、「バンクローン・オープン(為替ヘッジなし)」(三井住友トラスト・アセットマネジメント)。
債券型部門で最優秀賞ファンド賞を受賞したアセットマネジメントOneの外部委託運用グループ長の宗田秀俊氏は、「昨年10月に4社の統合によって生まれた新会社が、1670本という多くのファンドの中から最優秀ファンド賞に選ばれた意義は大きい。運用を委託する米ロード・アベット社は、地道で愚直な運用で知られる伝統的な運用会社。このような会社こそ、AI(人工知能)やロボットに勝る価値を実現できる」と喜びを語った。
「REIT型部門」(対象ファンド数:394本)の最優秀ファンド賞は、「アジア好利回りリート・ファンド」(三井住友アセットマネジメント)。同ファンドは14年に優秀ファンド賞を受賞している。優秀ファンド賞は、「フィデリティ・USリート・ファンドB(為替ヘッジなし)」(フィデリティ投信)、「J-REIT・リサーチ・オープン(毎月決算型)」(三井住友トラスト・アセットマネジメント)、「J-REITオープン(年4回決算型)」(野村アセットマネジメント)、「フィデリティ・Jリート・アクティブ・ファンド」(フィデリティ投信)、「ニッセイ・オーストラリア・リート・オープン(毎月決算型)」(ニッセイアセットマネジメント)。
REIT型部門で最優秀賞ファンド賞を受賞した三井住友アセットマネジメント株式運用グループのシニアファンドマネージャー秋山悦朗氏は、「11年9月に設定した時は、わずか7000万円足らずだったファンドが、今や2000億円の残高になり、このような賞をもらえるほどに成長したことは夢のようだ。アジアのリートは自社運用にこだわっている。シンガポールや香港の拠点では現地採用のローカルスタッフも採用している。リート運用チームを一段と進化させて、優れた運用の期待に応えていきたい」と語った。
「バランス(低リスク)型部門」(対象ファンド数:67本)の最優秀ファンド賞は、「東京海上・円資産バランスファンド(毎月決算型)」<愛称:円奏会>(東京海上アセットマネジメント)。同ファンドは15年に続いて2年連続で最優秀ファンド賞の受賞。優秀ファンド賞は、「投資のソムリエ」(アセットマネジメントOne)、「しんきん世界アロケーションファンド」<愛称:しんきんラップ(安定型)>(しんきんアセットマネジメント投信)、「HSBCワールド・セレクション(安定コース)」<愛称:ゆめラップ>(HSBC投信)。
バランス(低リスク型)部門で最優秀賞ファンド賞を受賞した東京海上アセットマネジメント運用戦略部シニアファンドマネージャーの山崎晃樹氏は、「バランスファンドはファンドの運用に携わる関係者が多い。2年連続、この厳しい市場環境にあって最優秀ファンド賞を受賞できたことは、安定した収益を提供できた証であり、誇らしく思えるとともに、ほっとする。17年も力を尽くして、良いパフォーマンスの維持に努めたい」と決意を語った。
「バランス(安定)型部門」(対象ファンド数:109本)の最優秀ファンド賞は、「スマート・ファイブ(毎月決算型)」(日興アセットマネジメント)。優秀ファンド賞は、「インベスコ プレミア・プラス・ファンド」<愛称:真分散革命>(インベスコ・アセット・マネジメント)、「アセットアロケーション・ファンド(安定型)」<愛称:らっぷちゃん>(三井住友アセットマネジメント)。
バランス(安定)型部門で最優秀ファンド賞を受賞した日興アセットマネジメント常務執行役員プロダクト&マーケティング共同グローバルヘッドの面川秀之氏は、「スマート・ファイブは、名前のとおり5つの資産に分散投資する。株式、債券、リートに加え、金も投資対象にし、リスク・パリティで資産配分しているところに特徴がある。ダウンサイドリスクを極力抑えたファンドなので、現在の市場環境へのソリューションとしてご検討いただきたい」とファンドを紹介した。
「バランス(安定成長)型部門」(対象ファンド数:253本)の最優秀ファンド賞は、「シュローダー・インカムアセット・アロケーション(毎月決算型)Aコース(為替ヘッジなし)」<愛称:グランツール>(シュローダー・インベストメント・マネジメント)。優秀ファンド賞は、「JPM ベスト・インカム(毎月決算型)」(JPモルガン・アセット・マネジメント)、「GCIエンダウメントファンド(成長型)」(GCIアセット・マネジメント)。
バランス(安定成長)型部門で最優秀ファンド賞を受賞したシュローダー・インベストメント・マネジメント代表取締役社長の柏木茂介氏は、「200年を超える歴史があるシュローダーの中で、マルチアセット運用は70年前にスタートし、16年9月末現在で85名のスペシャリストが約12兆円の資産を運用している。受賞ファンドは11年6月に香港で設立し、13年に日本で提供開始した。インカムを追求しつつ、機動的にアセットアロケーションを変更しリスク管理するファンドだ。是非、日本でも多くの方にご活用いただきたい」と語った。
「バランス(成長)型部門」(対象ファンド数:357本)の最優秀ファンド賞は、「フィデリティ・コア・インカム・ファンド(毎月決算型)為替ヘッジあり」(フィデリティ投信)。優秀ファンド賞は「北米ハードアセット・オープン(1年決算型)為替ヘッジあり」(三菱UFJ国際投信)、「あおぞら・USトリプルプラス・ファンド(年4回決算型)」(あおぞら投信)。
バランス(成長)型部門で最優秀ファンド賞を受賞したフィデリティ投信の執行役投信ビジネス本部長の新弘行氏は、「フィデリティは、『USリート』や『USハイ・イールド』が良く知られていて、販社の方から、“サテライト商品ばかりですか”といわれることもあった。今回、コア資産といえるバランス型で最優秀賞をいただき大変うれしく思う。インカムに着目したバランスファンドとして引き続き皆さまの期待に応えていきたい」と喜びを語った。(写真は、「ファンドオブザイヤー2016」の授賞式の様子)
モーニングスターは1月30日、国内の公募追加型株式投資信託約5000本の中から、独自の定量分析、定性分析に基づき、2016年の運用成績が総合的に優秀であると判断されたファンド合計40本を「ファンド オブ ザ イヤー 2016」に選定し、発表した。(写真は、「ファンドオブザイヤー2016」の授賞式の様子)
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2017-01-30 20:00