【本日注目の通貨ペア】ユーロ/米ドル:米政権によるユーロ安批判が波紋

 米トランプ政権によるユーロ安批判が波紋を呼んでいる。トランプ大統領の肝煎りで設立した米国家通商会議(NTC)のナバーロ委員長が31日付けの英紙に「ドイツがユーロの『甚だしい過小評価』を悪用して貿易での優位性を高めている」との見解を示し、露骨にユーロ安をけん制したためだ。これに対してメルケル独首相は、「ドイツは欧州中銀(ECB)が独立した政策を追求するよう常に求めてきた」「ドイツは競争力のある製品と公正な競争を通じて世界市場で生き残ろうと努力している」と反論している。  こうした中、ユーロ/ドル相場は昨日のNY市場で1.0810ドル台までユーロ高・ドル安に振れており、昨年12月8日の欧州中銀(ECB)理事会直後に付けた高値1.08728ドルが視野に入ってきた。もっとも、欧州が政治や経済情勢に不安を抱えている事を考えればユーロを買い進むのも躊躇われるところだろう。本日の米重要統計(米1月ADP全国雇用者数、米1月ISM製造業景況指数など)や、米連邦公開市場委員会(FOMC)の声明が、昨日急落したドルを買い戻す手掛かりになる可能性もある。米独間の通貨安戦争が始まったとするならば、ユーロ/ドル相場は当面、乱高下しやすくなるだろう。 (執筆:外為どっとコム総合研究所 編集担当:サーチナ・メディア事業部)(イメージ写真提供:leirbagarc/123RF)
米トランプ政権によるユーロ安批判が波紋を呼んでいる。(イメージ写真提供:leirbagarc/123RF)
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2017-02-01 15:45