【為替本日の注目点】ドル円112円台を維持

ドル円は東京市場の流れを受け112円05銭まで下落し、約2カ月ぶりの円高水準を記録。ただその後は今週水曜日と同様な展開となり、112円台後半まで押し戻される。ユーロドルも続伸し、一時12月8日以来となる1.0829まで買われる。
株式市場はもみ合い。投資家の関心は雇用統計に移り、ダウは6ドル安で引ける。S&P500は小幅に上昇。債券相場はほぼ変わらず。一時は上昇していたものの、アップルの起債計画を手がかりに上昇分を失う。ドルが売られたことで金は10ドルを超える反発。原油価格は小幅に反落。
新規失業保険申請件 → 24.6万件
ドル/円112.05 ~ 112.85
ユーロ/ドル1.0756~ 1.0829
ユーロ/円121.20 ~ 122.46
NYダウ -6.03 → 19,884.91ドル
GOLD +11.10 →1,219.40ドル
WTI -0.34 → 53.54ドル
米10年国債 +0.002 → 2.472%
本日の注目イベント
日 日銀金融政策決定会合、議事要旨(12月19日、20日分)
中 中国 1月財新製造業PMI
欧 ユーロ圏1月総合PMI(速報値)
欧 ユーロ圏1月サービス業PMI(速報値)
欧 ユーロ圏12月小売売上高
英 英1月サービス業PMI
米 1月雇用統計
米 1月ISM非製造業景況指数
米 エバンス・シカゴ連銀総裁講演
上値が徐々に重くなってきたドル円は、昨日の東京市場でも株価の大幅下落に呼応するように売られ、112円台半ばを付けました。その流れを引継ぎNY市場でも112円割れを試す動きが続き、一時112円05銭まで売られましたが、何とか112円割れは回避し、112円台後半まで反発して引けています。
今週火曜日にも112円08銭で下落が止められ、そこから約2円も急上昇しましたがこの水準はテクニカル的にも重要な位置であることは以前にも指摘した通りです。11月9日の大統領選直後に101円20銭までドル安が進み、その後はトランプラリーがドル円を大きく押し上げ、12月には118円66銭まで急激なドル高が進んだことは記憶に新しいところです。
この間の上昇幅は17円46銭で、ここにフィボナッチ・リトリースメントの38.2%戻しを当てはめると、111円99銭というレートが導き出されます。その結果、112円前後は重要なサポートレベルということになり、ドルショートのポジションも一旦は買い戻しが出てもおかしくはないと言えます。今週は2回もこの水準が維持され、その後大きく反発しているところをみると、上値が重く水準を徐々に切り下げて来ているとはいえ、目先の底値の可能性もあります。もちろん、だからといって絶対に割り込まないというわけではなく、反対に明確に割り込んだ場合にはかなりのスピードで下落が加速するものと思われます。
為替も株も、あるいは債券市場でも、トランプラリーは終わったのではないかとといった不安の声も徐々に高まっており、これがややリスクオフに傾いてきた理由ではないかと思われます。トランプ氏は大統領に就任して以来矢継ぎ早に大統領令に署名を行い、独自色を前面に出して来ました。今日で丁度就任して2週間がたちます。この間、まだ経済政策や減税など、いわゆるトランプラリーを牽引してきた政策にはほとんど触れていません。
来週にはトランプ氏が予算の方針を報告する「大統領予算教書」が議会に提出されます。ここでは議会の各委員会が意見を述べ、4月1日までには本会議に提出しなければならないことになっています。そろそろ具体的な内容が明らかになるものと思われます。
本日は1月の雇用統計が発表されます。非農業部門雇用者数は前月の14.4万人から増えて、17.5万人と予想されています。1日に発表されたADP雇用者数が市場予想を大きく上回っていたこともあり、上振れ期待が高まっているようです。それだけに、下振れした場合の反応がやや気になるところです。今夜の雇用統計と、来週10日の日米首脳会談あたりが、今後の相場を左右する重要な材料になりそうです。予想レンジは112円~113円70銭程度と、ややワイドに見たいと思います。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ・メディア事業部)(イメージ写真提供:123RF)
ドル円は東京市場の流れを受け112円05銭まで下落し、約2カ月ぶりの円高水準を記録。(イメージ写真提供:123RF)
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2017-02-03 09:30