今週の為替相場見通し(2017年2月6日~)=為替王

為替の先週終値は1ドル=112円台。重要な局面に差し掛かっています。今年これまで、じりじりと円高が進行していますが、先週は連日、112円台で円高の動きが食い止められました。円安方向への反発の動きは弱く、たとえば先週金曜日も雇用統計で、雇用者数が大幅に伸びており、本来はドル買い材料と見なされるはずなのに、さほどドルは買われませんでした。わかりやすいドル買い材料にも反応が乏しく、あまりドル高(円安)にならないということは、根底にあるドル安(円高)の圧力が大きいということかもしれません。
さて、今週、具体的に注目すべきポイントは、1ドル=112円台後半~半ばの水準。その水準が、かなり強力な下値サポート帯となっており、それ以上の円高の動きを阻んでいます。先週末も、かろうじて、その強力なサポート帯に下支えされました。今週の見通しとしましては、このままサポート帯を下抜けるのか? あるいは、一旦サポートされて反発したのちに、再び、サポート帯の攻防に戻って、そして下抜けるのか? いずれにしましても、112円台の強力なサポート帯を今月、下抜ける動きが生じることを大いに想定しておきたいです。その場合、どこまで円高になるのか? 一気に110円から110円を割れるくらい円高が加速するシナリオが考えらます。要注意です。
ユーロ円も、同じく、状況としては厳しく、ギリギリのところで踏ん張っています。ユーロ円の重要な下値サポート帯は121円台。先週は連日、そのサポート帯で円高の動きが止まりました。今月もしそのサポート帯を下抜けますと、昨年12月以降ずっと続いているレンジ相場(122円台を中心としてざっと3円程度の狭い値幅で、長期化しているレンジ相場)を崩れる形になります。蓄積されている相場エネルギーが大きくなっているため、米ドル円よりも、中期的な円高リスクは大きいかもしれません。昨年11月以降のトランプ相場(円安相場)の起点くらいを目指して、中期的に円高(ユーロ安)が進行するシナリオも考えられます。(執筆者:為替王)(イメージ写真提供:123RF)
為替の先週終値は1ドル=112円台。重要な局面に差し掛かっています。(イメージ写真提供:123RF)
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2017-02-06 09:15