GC&T、小中高校生向けTOEFLテストのラインナップを拡充

グローバル・コミュニケーション&テスティング(GC&T)は2014年3月17日、東京・丸の内で「TORFL 新プロダクト 記者発表会」を開催し、TOEFLテストのラインナップに「TOEFL Primary(トフルプライマリ)」と「TOEFL Junior Comprehensive(トフルジュニアコンプリヘンシブ)」が加わったことを発表した。発表会には、TOEFLやTOEICなどを提供している米ETS(Educational Testing Service)のバイス・プレジデント兼COOのデイビッド・ペイン氏も登壇し、TOEFLテストのラインナップ拡充の意義について解説した。(写真左からGC&T代表取締役社長の中江信一郎氏、ETSバイス・プレジデント兼COOのデイビッド・ペイン氏。サーチナ撮影)
GC&T代表取締役社長の中江信一郎氏は、2年半前から提供している「TOEFL Junior(トフルジュニア)」が、英語を母語としない若年層向けの英語運用能力測定テストの世界基準として世界に拡大し、日本でも、文科省が推奨テストに認定するなど急速に浸透している現状を報告した。英語学習開始の早期化を受け、「トフルジュニア」よりも英語学習初学者である小中学生に適切で、世界基準の能力測定テスト「トフルプライマリ」が開発されたと紹介した。
たとえば、アジアを中心とした各国における英語学習の開始時期は、フィリピン、シンガポール、インドネシア、タイで小学1年生から、韓国、中国、台湾では小学3年生から実施している。日本も、文科省が2013年12月に発表した「グローバル化に対応した英語教育改革実施計画」で、これまで小学5年生から開始していた英語学習を小学3年生に前倒しする方針を固めた。
そこで、今回、新たにラインナップに加わった「トフルプライマリ」は、CEFR(ヨーロッパ言語共通参照枠)でA1-A2レベルという、もっとも初歩的な英語力の理解度を測定するテストとして開発された。具体的には、英語学習初学者である8歳以上を対象に、リスニング、リーディング、スピーキングの能力を測る。リーディングとリスニングは、「ステップ1」と「ステップ2」の2段階で、ペーパーベースの3択マーク式。スピーキングは、コンピュータとヘッドセットを用いて実施する。
「トフルジュニアコンプリヘンシブ」は、受験対象者を11歳以上と想定し、英語によるコミュニケーション能力を測るテストだ。既存の「トフルジュニア」がリスニングとリーディングを中心にしたテストであることに対し、リスニング、リーディング、スピーキング、ライティングの4技能をコンピュータで測定する総合テストになっている。既存の「トフルジュニア」は、「TOEFL Junior Standard(トフルジュニアスタンダード)」と名称変更し、従来通り、ペーパーベースのテストとして存続する。
GC&Tの中江氏は、「トフルプライマリが、8歳以上の受験者を想定しCEFRのA1-A2、トフルジュニアが11歳以上でCEFRのA2-B2のレベルをカバーする測定テストになる。これ以降のレベルには、『TOEFL ITP』、『TOEFL iBT』などの上位テストがあってCEFRのC1レベルまでをカバーする、TOEFLテストのラインナップを準備した。英語の初期段階から、大学生までが英語学習の習熟度を測るテストとして活用していただきたい」と、新しいTOEFLテストの活用を呼びかけた。
具体的な新設テストの運用については、「トフルプライマリ」、「トフルジュニアコンプリヘンシブ」ともに、2014年6月-7月に先行実施学校でテストを実施。11月に全国8会場(札幌、仙台、東京、横浜、名古屋、大阪、広島、福岡)で公開テストを実施する。学校単位などの団体テストが随時実施される予定だ。全都道府県でのテスト実施時期を「トフルジュニアコンプリヘンシブ」は2017年を、「トフルプライマリ」は2019年を目標にしている。公開テストの受験料は、「トフルプライマリ」がリーディングとリスニングが3880円、スピーキングは3240円。「トフルジュニアコンプリヘンシブ」は9500円。
ETSのデイビッド・ペイン氏は、「TOEFLテストの目的は、習熟レベル・認知レベル・年齢レベルに応じて作成された課題を通して、コミュニケーション・スキルを測定すること。教育課程のあらゆる段階において、英語学習者の能力を測定できる」と語り、世界50カ国以上、2500の教育機関が実施し、これまでに累計2700万人が受験してきた世界に標準的な英語テストであるという、TOEFLの有効性を強調した。
また、「トフルジュニアコンプリヘンシブ」は世界各地で段階的に導入が進み、2014年までに、韓国、ブラジル、スイス、カナダが導入し、今後、日本をはじめ、中国、香港、ペルー、ロシアやEMEA諸国も導入を予定している。さらに、「トフルプライマリ」も同様に世界各地で普及が進んでいると紹介した。(編集担当:風間浩)
グローバル・コミュニケーション&テスティング(GC&T)は2014年3月17日、東京・丸の内で「TORFL 新プロダクト 記者発表会」を開催し、TOEFLテストのラインナップに「TOEFL Primary(トフルプライマリ)」と「TOEFL Junior Comprehensive(トフルジュニアコンプリヘンシブ)」が加わったことを発表した。(写真左からGC&T代表取締役社長の中江信一郎氏、ETSバイス・プレジデント兼COOのデイビッド・ペイン氏。サーチナ撮影)
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2014-03-18 18:00