【為替本日の注目点】ユーロは続落しポンドは上昇

 ドル円は111円台では底堅さを見せ反発。NYでは112円57銭までドル高が進んだが、米金利の低下に伴い、112円台前半まで押し戻される。ユーロドルは続落。ドルが買い戻されたことや、政治的リスクやギリシャの財政問題などが意識され、1週間ぶりに1.06台半ばまで売られる。  株式市場は反発。ダウは37ドル上昇し、その他主要2指数も揃って上昇。債券相場は続伸。3年債入札の需要が強く、利回り曲線はフラット化。10年債利回りは約3週間ぶりに2.4%を割り込む。金は4日続伸。原油は続落し52ドル台に。 12月貿易収支      → 443.0億ドルの赤字 12月消費者信用残高  → 1410.6億ドル ドル/円111.82 ~ 112.58 ユーロ/ドル1.0663~ 1.0706 ユーロ/円119.64 ~ 120.12 NYダウ +37.87 → 20,090.29ドル GOLD +4.0 →1,236.11ドル WTI  -0.84 → 52.17ドル 米10年国債 -0.015 → 2.393% 本日の注目イベント 日   1月景気ウオッチャー調査 日   12月国際収支 日   日銀金融政策決定会合における主な意見(1月30、31日分) 中   中国10-12経常易収支 加   カナダ1月住宅着工件数  ドル円はさすがに111円台半ばでは下げ止まり反発しています。昨日の東京市場では朝方に111円60銭近辺まで売られましたが、株価がマイナス圏で推移したものの、底堅さを見せたことで、112円台への反発につながって来ました。依然として焦点は週末の日米首脳会談ですが、トランプ政権側がどのようなかけひきを行ってくるのか不透明で、この部分がドル円の上値を抑えている状況です。  会談の議題の一つと見られるのが、日米の貿易不均衡です。米国から見た、貿易赤字額では中国、ドイツについで日本が第三位です。昨日発表された米国の12月の貿易赤字額は443億ドルで、3カ月ぶりに縮小しましたが、2016年通年では2012年以来最大となっています。米国は景気が良くなるほど、赤字額が増える傾向があります。GDPの70%以上を個人消費が占める「消費大国」です。貿易赤字が拡大しているということは、米景気が拡大していることの裏返しと言うこともできそうです。  トランプ大統領はこの貿易赤字の原因が為替レートにあると主張しています。為替レートが影響していないとは言いませんが、根本的には米国人が必要とする品質のいい物が日本にあるからだということです。この部分については、会談に置いても主張すべきところははっきりと主張すべきです。先ずは先制攻撃をかけ、相手に威圧感を与え、1000円のものを300円なら買おうと主張し、徐々に値段をあげ「それなら500円で買ってあげる」というのが、トランプ流の交渉術です。  ドラギECB総裁は欧州議会での証言で、ユーロが著しく安く押さえられていることが貿易不均衡につながっているとの米高官発言に対し、「ドイツの貿易黒字は生産性向上の結果だ」として、「為替操作はしていない」と、毅然とした態度を見せています。  本日はひとまず為替もやや円安方向に戻り米国株も上昇したことで、突発的な材料がない限り下値のリスクは低いでしょう。欧州時間に入ったら、ユーロドルが再び売られ、1.05を目指すのかどうかに注目しています。予想レンジは111円60銭~112円90銭程度にしたいと思います。 (執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ・メディア事業部)(イメージ写真提供:123RF)
ドル円は111円台では底堅さを見せ反発。NYでは112円57銭までドル高が進んだが、米金利の低下に伴い、112円台前半まで押し戻される。(イメージ写真提供:123RF)
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2017-02-08 09:45