ヤーマンは売り一巡、来期収益改善期待で出直り
家庭用美容・健康機器のヤーマン <6630> の株価は、3月14日に発表した第3四半期累計の営業赤字や、全般地合い悪化の影響で3月の戻り高値圏から反落した。しかし足元では早くも売り一巡感を強めている。来期の収益改善を期待して出直り展開だろう。4月期末に向けて株主優待制度を考慮した総合利回りも注目点だ。
脱毛器や痩身器具など家庭用美容・健康機器事業、および化粧品事業を展開し、大手家電量販店との直接取引やブランド戦略を強化している。13年10月には「スマート家電グランプリ2013秋」理美容家電部門で、当社の「no!no!HAIR DX」「プラチナトルネードEMS」「フェイササイズPlus」が金賞を受賞している。
3月14日に発表した今期(14年4月期)第3四半期累計(5月~1月)の連結業績は売上高が前年同期比22.8%減の103億42百万円、営業利益が3億07百万円の赤字(前年同期は2億09百万円の黒字)、経常利益が3億円の赤字(同90百万円の黒字)、純利益が1億92百万円の赤字(同47百万円の黒字)だった。卸売事業で大手家電量販店との直接取引への移行が概ね完了したが、売上高が以前の水準に戻るには暫くの時間を要するため大幅減収となり、売上総利益の減少を販管費の圧縮でカバーできず営業赤字となった。
セグメント別の売上高を見ると、通販部門は地上波通販会社向けやカタログ通販会社向けが苦戦して同6.7%減の40億42百万円だった。店販部門は大手家電量販店との直接取引への移行が概ね完了したが、売上高の完全な回復に至らず同41.6%減の17億39百万円だった。直販部門は同25.7%減の42億87百万円だったが、費用対効果を重視した広告戦略に転換して営業損益は改善した。
通期見通しについては前回予想(6月14日公表)を据え置いて、売上高が前期比16.1%増の225億50百万円、営業利益が同29.5%増の9億円、経常利益が同56.9%増の8億10百万円、純利益が同51.6%増の4億60百万円としている。第3四半期累計で営業赤字が残ったため通期下振れに注意が必要だが、来期(15年4月期)は大手家電量販店との直接取引効果でブランド浸透戦略が本格化し、新製品投入の効果や直販部門における利益重視施策の効果などで収益改善が期待される。
なお3月17日に今期末の株主優待品が決定したと発表している。4月30日現在で100株以上所有株主を対象として、自社化粧品「オンリーミネラルセット」(100株以上500株未満所有株主に対して1万相当、500株以上所有株主に対して3万円相当)を贈呈する。
株価の動きを見ると、3月11日に戻り高値となる1495円まで上伸したが、第3四半期累計の営業赤字を嫌気した売りや全般地合い悪化の影響で3月14日に1382円、そして3月17日には1378円まで調整した。ただし2月4日の安値1280円まで下押すことなく、3月18日には前日比34円高の1414円まで切り返す場面があった。第3四半期累計業績発表後の売りが早くも一巡した可能性がありそうだ。
3月18日の終値1391円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS78円84銭で算出)は17~18倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間36円で算出)は2.6%近辺、実績PBR(前期実績の連結BPS1138円92銭で算出)は1.2倍近辺である。週足チャートで見ると戻り高値圏から一旦反落したが、13週移動平均線近辺で下げ渋っている。サポートラインを確認して出直り展開だろう。4月期末に向けて株主優待制度を考慮した総合利回りも注目点だ。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)
家庭用美容・健康機器のヤーマンの株価は、3月14日に発表した第3四半期累計の営業赤字や、全般地合い悪化の影響で3月の戻り高値圏から反落した。しかし足元では早くも売り一巡感を強めている。来期の収益改善を期待して出直り展開だろう。4月期末に向けて株主優待制度を考慮した総合利回りも注目点だ。
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2014-03-19 09:15