モブキャストは調整最終局面、四半期営業損益は底打ちの可能性

  ソーシャルゲームのモブキャスト <3664> (東マ)の株価は、前期業績の減額修正をきっかけに急落して軟調展開が続いている。足元では新株予約権発行も嫌気された形だが売られ過ぎ感も強めている。調整のほぼ最終局面だろう。四半期ベースで見ると営業損益が底打ちした可能性もあり、一旦は反発のタイミングだろう。   プロ野球ゲーム「モバプロ」やサッカーゲーム「モバサカ」などスポーツ分野に特化して、モバイルスポーツメディア「mobcast」運営とソーシャルゲーム開発・配信を展開している。自社ゲーム開発を強化するとともに、プラットフォームを開放して外部ディベロッパー製のゲーム配信と海外展開も強化している。14年2月には子会社モブキャストグローバルのPCオンラインゲーム事業を譲渡すると発表した。経営資源をモバイルエンターテインメント事業に集中し、モブキャストグローバルを4月1日付で当社に吸収合併(13年11月公表済み)する。   13年4月に韓国でも「mobcast」をオープンして「モバサカ」の配信を開始した。13年8月には世界有数のモバイルゲームディストリビューターであるブースターメディア(オランダ)と業務提携した。さらに13年12月には韓国のモバイルゲーム大手COM2USと業務提携して韓国市場向けにコレクタブルフィギュアRPG「ダイスアドベンチャー」の配信を開始した。なお3月18日にはモバイルスポーツメディア「mobcast」プラットフォーム会員数が500万人を突破したと発表している。   今期(14年12月期)の連結業績見通しは、売上高が前期比2.3%増の53億円、営業利益が1億円(前期は4億45百万円の赤字)、経常利益が1億円(同4億04百万円の赤字)、純利益が1億円(同6億57百万円の赤字)の黒字化としている。今期の重点戦略としてサッカー分野に経営資源を集中し、サッカーゲーム6タイトルを世界25カ国で展開する方針だ。   前期は新規開発ゲームの投入遅れや広告宣伝費の増加を主因として営業損益が大幅に悪化したが、前期第4四半期(10月~12月)に合計19タイトルをリリースしたことで営業損益が底打ちした可能性があるだろう。モバイルスポーツメディア「mobcast」会員数は増加基調であり、今期投入の新規タイトルの効果、ブースターメディア(オランダ)との業務提携の効果、新規開発に係る業務委託費削減の効果、長期固定広告削減など経費コントロールの効果が寄与して収益改善が期待される。   なお3月12日に、第三者割当による第20回乃至第22回新株予約権の発行およびコミットメント契約締結を発表した。割当日14年4月2日、発行新株予約権数の合計1万5000個、当該発行による潜在株式数の合計150万株、下限行使価額676円、調達資金額(差引手取概算額)約28億51百万円で、割当予定先は大和証券としている。調達資金はヒットタイトルの海外展開および大型新規タイトル開発などに充当するようだ。   株価の動きを見ると、昨年11月の前期業績減額修正を嫌気して急落し、その後も軟調展開が続いている。足元では全般地合い悪化の影響に加えて新株予約権発行も嫌気され、3月18日に前日比72円(9.49%)安の687円まで下押す場面があった。しかし3月18日は終値では一転して前日比41円(5.40%)高の800円まで反発している。乱高下の展開となったが一旦は底打ちした可能性があるだろう。   3月18日の終値800円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS7円20銭で算出)は111倍近辺、実績PBR(前期実績の連結BPS131円96銭で算出)は6.1倍近辺である。日足チャートで見ると25日移動平均線に対するマイナス乖離率が17%~18%まで拡大して売られ過ぎ感を強めている。また週足チャートで見ると右肩下がりの展開だが3月18日の反発で下ヒゲを付けた。12年7月の上場来安値630円に接近して調整のほぼ最終局面のようだ。一旦は反発のタイミングだろう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)
ソーシャルゲームのモブキャスト<3664>(東マ)の株価は、前期業績の減額修正をきっかけに急落して軟調展開が続いている。
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2014-03-19 09:15