【本日注目の通貨ペア】米ドル/円:日米首脳会談への期待と不安

本日は米国ワシントンで日米首脳会談が行われる。トランプ大統領は米国の貿易赤字解消を目指しており、その文脈において日米自動車貿易の不公平さと日銀の円安誘導姿勢を批判している。日本側としては自動車業界が米国の生産拠点などで雇用創出に貢献している点や、日銀の金融緩和はデフレ脱却を目的とした施策である事などを示して理解を得たい考えとされる。そうした動きに沿った事務方の「根回し」が奏功して、首脳会談は和やかに執り行われるとの楽観的な見通しがここに来て浮上。本日の日経平均株価は500円近く上昇し、ドル/円は今月1日以来の113円台後半に上昇している。会談後の共同声明で、経済面における結び付きの深化をアピールできれば、ドル/円の上昇が加速する可能性もあろう。もっとも、トランプ米大統領には、豪首相との電話会談を怒りに任せて途中で打ち切った「前科」がある。本日だけは、そうした「ダークサイド」が顔を出さないとは言い切れない面もあろう。もし、足元で市場に広がる楽観ムードに水を差す事があれば、失望(のドル売り)は大幅なものになりそうだ。なお、首脳会談は日本時間11日午前2時に始まり、同3時には共同声明が発表される予定となっている。その後、フロリダへ移動して明日はゴルフや食事会が行われる。そうした場での発言が週明けの市場を動かす可能性もあるため週末の関連ニュースにも気を配っておきたい。
(執筆:外為どっとコム総合研究所 編集担当:サーチナ・メディア事業部)(イメージ写真提供:123RF)
本日は米国ワシントンで日米首脳会談が行われる。(イメージ写真提供:123RF)
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2017-02-10 17:00