今週の為替相場見通し(2017年3月6日~)=為替王

先週は、アメリカが利上げするとの観測が高まり、1ドル=114円へと円安(ドル高)が進みました。さて、注目の「アメリカの利上げ」の可能性について。定例の金融会合(FOMC)が来週予定されており、結果発表は、3月15日(日本時間16日未明)。先月までは、金利変更なしとの見方が優勢で、それも先月までの円高(ドル安)の背景のひとつでしたが、先週、複数の要人により、利上げに積極的な発言が相次ぎ、急速に、利上げの可能性が高まりました。先週前半は1ドル=111円~112円台だったのが、利上げの可能性が高まったことを受けて、114円台まで円安(ドル高)が進みました。
実際にどうなるか? 先週末は、金融会合の議長までもが、利上げに積極的な考え方に同意するような発言をしました。これで、この先、会合までの期間に、よほどの悪材料が出ない限り、3月15日に利上げに踏み切る確率はかなり高いと判断してよいと思われます。(現在、アメリカ政策金利の目標値0.50~0.75%なので、想定されるのは0.75~1.00%への利上げ)。
次に、米ドル円のチャート分析について。2月は円高になるリスクを抱えた状態であることをお伝えしてきましたが、「利上げ発言」により形勢は逆転。先週、重要な上値抵抗帯(113円台)を突き抜けるに至りました。この先、意識すべき水準として、下方のサポート帯が113円台(特に、113円台半ばあたり)にしっかり形成されていますので、今週下落した場合は、そのあたりをサポート帯と位置付けながら、円安方向へは第一に115円台回復を期待したい状況ではないかと思います。また中期的には、最大119円台というとても大きな円安ターゲットも出ないこともありません。
たとえば、アメリカで予想通り利上げが実施されて、今後の利上げの可能性も示唆されて、さらに、オランダ総選挙で、反EU、反移民の極右政党が惨敗するような結果になれば、短期的に円安や株高が勢いづくというシナリオも考えられるのかもしれません。実戦においては、トランプ大統領の発言で為替の流れが急に変わることが今年これまで何度かありましたので、ポジションの取り方としては、通常よりも少なめにするなど、リスクを抑えた地味な戦い方を、まだしばらく続けざるを得ないかなという気はします。
ユーロ円、ポンド円は、円高気味の動きが続いていましたが、短期チャート上の重要な上値抵抗ポイントに接近しています。ユーロ円は、1ユーロ=121円近辺。ポンド円は、1ポンド=140円台前半。それらのポイントを今週しっかり上抜けてきますと、一旦、米ドル円と同様に、しばらく反発(円安)局面に入ることが想定されます。(執筆者:為替王)
先週は、アメリカが利上げするとの観測が高まり、1ドル=114円へと円安(ドル高)が進みました。さて、注目の「アメリカの利上げ」の可能性について。
economic
2017-03-06 08:30