リンテックは好業績を評価して昨年10月高値を目指す

  粘着製品大手のリンテック <7966> の株価は、全般地合い悪化の影響を受ける場面もあったが、足元では出直りの動きを鮮明にしている。好業績を評価して昨年10月高値を目指す展開だろう。   高度な粘着応用技術と表面改質技術(粘着剤や表面コート剤の開発・配合・塗工技術)に強みを持ち、印刷材・産業工材関連(シール・ラベル用粘着フィルム、ウインドーフィルム、太陽電池用バックシート、自動車用・工業用特殊粘着製品など)、電子・光学関連(半導体製造用粘着テープ、タッチパネル用シート材、液晶用偏光・位相差フィルム粘着加工など)、洋紙・加工材関連(カラー封筒用紙、粘着製品用剥離紙・剥離フィルム、炭素繊維複合材料用工程紙など)の分野に幅広く事業展開している。   3月11日には、米テキサス大学ダラス校と共同で開発を進めてきたカーボンナノチューブ(CNT)を薄いシート状に加工する新技術の16年度中の実用化に向けて、米国テキサス州に研究開発拠点NSTCを設立して量産技術の確立に着手すると発表した。CNTの素材としての特性を損なうことなく、従来手法に比べて100分の1から1万分の1という極めて薄いCNTシートを生成することが可能となり、用途としては電気自動車用蓄電装置の電極材料への活用などが考えられるとしている。   3月19日には新中期経営計画「LIP-2016」を発表した。定量目標として17年3月期売上高2400億円、営業利益200億円、売上高営業利益率8%以上、ROE(自己資本利益率)8%以上を掲げ、重点テーマはグローバル展開のさらなる推進、次世代を担う革新的新製品の創出、強靭な企業体質への変革、戦略的M&Aの推進、人材の育成としている。   今期(14年3月期)の連結業績見通しについては、前回予想(5月9日公表)を据え置いて売上高が前期比10.0%増の2100億円、営業利益が同42.0%増の150億円、経常利益が同36.6%増の150億円、純利益が同36.7%増の105億円としている。電子・光学関連の好調が牽引して大幅増益見込みだ。   半導体関連粘着製品、積層セラミックコンデンサー製造用コートフィルム、液晶関連粘着製品などスマートフォン・タブレット関連製品が好調だ。通期見通しに対する第3四半期累計(4月~12月)の進捗率は売上高が71.7%、営業利益が73.0%、経常利益が72.8%、純利益が73.3%と概ね順調な水準であり、想定為替レートは1米ドル=92円と保守的である。好業績が期待されるだろう。   なお2月12日発表の自己株式取得(取得株式総数の上限300万株、取得価額総額の上限50億円、取得期間14年2月13日~14年3月31日)については、3月17日時点の累計で取得株式総数256万5700株、取得価額総額49億9987万7400円となって終了した。   株価の動きを見ると、全般地合い悪化の影響を受けて2月上旬に1700円台まで調整する場面があったが、昨年12月安値を割り込まずに素早く切り返して2000円台を回復している。3月11日には2070円まで戻す場面があった。好業績を評価する流れに変化はないようだ。   3月19日の終値2000円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS140円57銭で算出)は14~15倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間42円で算出)は2.1%近辺、実績PBR(前期実績の連結BPS1909円57銭で算出)は1.0倍近辺である。週足チャートで見ると戻りを押さえていた26週移動平均線を突破して上伸した。強基調に転換して昨年10月高値2157円を目指す展開だろう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)
粘着製品大手のリンテック<7966>(東1)の株価は、全般地合い悪化の影響を受ける場面もあったが、足元では出直りの動きを鮮明にしている。
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2014-03-20 09:15