トランプ政権大打撃!法案撤回が世界に悪影響?

トランプ大統領が、オバマケア代替法案を撤回しました。これが何を意味するのか?株や為替相場にどんな影響を与えるのか? QA形式で解説いたします。
Q:オバマケア代替法案ってなんですか? それを撤回ってどういう意味ですか?
A:トランプさん(現在のアメリカ大統領)は、オバマさん(前の大統領)の医療保険制度改革(=通称オバマケア)を批判してきました。今回、オバマケアの代わりとなる法案を議会で可決するように働きかけてきたのですが、敵対する民主党だけでなく、身内の共和党内からも反発する声が上がっており、議会で可決できるほどの賛成票が得られないとの判断から、採決予定時刻の直前に、採決そのものを中止して、代替法案を撤回するよう、議長に要請しました。
Q:今回の法案撤回は、どんな影響があるのですか?
A:もし、オバマケア代替法案が可決されていれば、今後毎年、予算がかなり浮く見込みでした。大幅に浮いた予算を活用して、トランプ氏は、政策の目玉でもある大型減税などポジティブな経済財政政策を打ち出していこうと考えていたと思われます。しかし、今回、オバマケア代替法案を撤回せざるを得ない状況に追い込まれましたので、今まで期待されていた経済財政政策に対して「財源についての不安」だけでなく、トランプ政権の「政策実行力についての不安」という2つの不安が露呈したと言えます。
Q:今までトランプ氏の政策への期待だけで、株価もドルも買われていましたよね?
A:その通りです。ほぼ期待だけで、株価が高騰し、アメリカの金利も上がり、ドルも上昇していました。今回の「オバマケア代替法案の撤回」は、期待されていたことが、もしかすると根底から裏切られるリスクがあることを意味すると言っても、言い過ぎではないでしょう。
Q:株価が急落したり、ドルが急落することもあり得るのですか?
A:理屈ではそうなります。ほぼ期待だけで株もドルも買われてきました。私はブログで、なんら具体的な政策が実現されていないことをずっと指摘してきました。それゆえ、いずれ日米の株価や為替が大幅に調整して、トランプ相場の起点へと回帰する可能性があると予想してきました。今回、事実として、トランプ氏の主張してきた大きな政策のひとつ(オバマケア代替法案)が行き詰まりました。この一つの政策がダメになったというだけでなく、連鎖的に、その他のトランプ政権の掲げる政策が、実現できないリスクがあることは、もはや無視できないでしょう。トランプ相場の起点といえば、NYダウなら1万8千ドル近辺、日経平均なら1万7千円台前半、為替なら1ドル=105円程度。それらの水準へ向かう動きがこれから強まる可能性があると見ています。(執筆者:為替王)(イメージ写真提供:123RF)
トランプ大統領が、オバマケア代替法案を撤回しました。これが何を意味するのか?株や為替相場にどんな影響を与えるのか? QA形式で解説いたします。(イメージ写真提供:123RF)
economic
2017-03-25 20:30