今週の為替相場見通し(2017年3月27日~)=為替王

「112円~111円へ円高が拡大する」。この予想がズバリ的中して、先週は1ドル=111円へ円高が進みました。先週後半は、連日111円を割れて110円に突入するなど、予想円高メドからさらに円高になる場面もありましたが、先週末の終値は111円台で落ち着きました。 さて、今週の為替を予想する前に、先週の気になったニュースについて。土曜日のブログ記事でも書きましたが、「オバマケア代替法案の撤回」。オバマ前政権の医療保険制度について、トランプ政権が、改革案を提出していました。これは、トランプ大統領が就任してから、初めての大型法案といってもよいほど、注目度が高いものでした。トランプ氏は身内の共和党議員すらまとめきれずに、法案をみずから撤回。これは非常にまずいです。なぜかと言うと、トランプ氏が掲げる経済政策は、いずれも共和党が議会で多数派を占めているからこそ、ある程度スムーズに可決されるだろうとの思惑から、まるでもうすでに、それらの経済政策が実行されたかのように、株価がどんどん上がっていました。ところが現実は、比較的スムーズに可決されるだろうと思われていたオバマケア代替法案でさえ、身内の反発にあって、行き詰まりました。これでは、この先、税制改革や金融改革などの法案が、スムーズに通るとは思えませんし、通そうとするならば、かなり修正されて当初の期待を大幅に下回る可能性も高いです。 以上が、ファンダメンタルズの観点ですが、テクニカル分析の観点でも、先週からブログで指摘しておりますように、今年1月以降の大きなレンジ(111円~115円)を下方へ崩れる可能性があり、そうだとするならば、現在の水準から、かなり円高が進むシナリオが考えられます。具体的には、1ドル=106円近辺。先週末はレンジの下限あたりをキープしましたが、もしかすると、その水準へ向かった動きが、すでに始まっているのかもしれません。 ポンド円なども、昨年12月以降の三角持ち合いから下方へ崩れようかという兆候が出ているとの見方を維持します。先週末は1ポンド=138~139円をキープしていますが、大雑把にいって130円前後を目指す可能性があると思われます。(執筆者:為替王)(イメージ写真提供:123RF)
「112円~111円へ円高が拡大する」。この予想がズバリ的中して、先週は1ドル=111円へ円高が進みました。(イメージ写真提供:123RF)
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2017-03-27 08:45