【為替本日の注目点】米中首脳会談と雇用統計待ち

 ドル円は111円台を回復したものの維持できず、110円台後半で引ける。株価の上昇やサンフランシスコ連銀総裁の発言を手がかりにドルが買われたが上昇は続かず。ユーロドルは小幅に下落。ドラギECB総裁が金融緩和を継続する姿勢を見せたことで1.0638までユーロ安が進む。株式市場は揃って反発。失業保険申請件数が予想を大きく下回ったことを好感し、ダウは14ドル高と小幅に上昇。債券相場はほぼ変わらず。米中首脳会談の行方や雇用統計を待つ姿勢が強まる。金は反発し、原油は続伸。 新規失業保険申請件数       →  23.4万件 ドル/円110.67 ~ 111.15</td></tr> ユーロ/ドル1.0638~ 1.0669</td></tr> ユーロ/円117.84~ 118.33</td></tr> NYダウ +14.80 → 20,662.95ドル</td></tr> GOLD +4.80 →1,253.30ドル</td></tr> WTI +0.55 → 51.70ドル</td></tr> 米10年国債  +0.005 → 2.341%</td></tr> 本日の注目イベント 日   2月景気動向指数 中   中国 3月外貨準備高 独   独2月鉱工業生産 独   独2月貿易収支 独   独2月経常収支 英   英2月鉱工業生産 英   英2月貿易収支 米   3月雇用統計 米   2月消費者信用残高 加   カナダ3月失業率 加   カナダ3月就業者数  ドル円は上値が重い一方下値も底堅く、膠着状態が続いています。昨日も朝方、株価の大幅下落を見ながら110円29銭まで下落し、110円割れを意識させられました。日経平均株価が230円ほど下げた時でも、ドル円は110円40銭近辺で推移しており、「株価下落の割には、意外に底堅い」といった印象でした。その後、NY市場では111円15銭近辺まで上昇しましたが、再度110円台に押し戻されています。ドル円ロングの市場参加者には「薄氷を踏む思い」をさせながらも、ショートの投資家には「110円割れは無理なのでは・・」といった印象を残しています。110円台前半でロングを仕込んで、111円台前半で売り逃げる戦略を粛々と実行するしかないような状況です。  それにしても、昨日の日本株の弱さには改めて失望させられました。NYダウは41ドルマイナスにもかかわらず、日経平均は一時300円を超える下げに見舞われ、対岸のボヤがいつの間にか自宅の母屋で大火事になったイメージです。200ドル近くまで上昇したものがマイナスに転じる下げを見せたとはいえ、FOMC議事録で、バリュエーションからすると米国株の割高が議論されたことが背景でした。その影響から日本株が下げ、日経平均株価が年初来安値を記録する動きは、なかなか理解に苦しみます。  米中首脳会談が始まりましたが、現時点ではまだ詳細は入って来ていません。トランプ大統領はFOXニュースとのインタビューで、習近平主席との会談は「非常に面白くなる」とした上で、「米国は中国にボールを投げていく。われわれは非常にうまくできると思う」と語っています。また中国との貿易問題では「貿易はもう何年も公平な扱いを受けていない」と述べ、北朝鮮問題でも「北朝鮮は大きな問題だ」と述べました。(ブルームバーグ)基本的には、このように貿易や北朝鮮、あるいは為替問題について議論されるものと思われます。  本日は3月の雇用統計が発表されます。先日のADP雇用者数の上振れで、雇用統計にも上振れ期待が高まっていますが、実際に、事前予想もこれまでの17.5万人から18万人に上方修正されています。2月の実績がこれと全く同じだったことで、むしろ下振れした際の反応の方が混乱が大きいのではないかと懸念されます。昨日発表された週間失業保険申請件数も23.4万件と予想を大きく下回っていました。労働市場は依然として拡大を続けていると見られます。 本日の予想レンジはワイドに、110円20銭~111円50銭程度とします。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ・メディア事業部)(イメージ写真提供:123RF)
ドル円は111円台を回復したものの維持できず、110円台後半で引ける。株価の上昇やサンフランシスコ連銀総裁の発言を手がかりにドルが買われたが上昇は続かず。(イメージ写真提供:123RF)
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2017-04-07 09:15