今週の為替相場見通し(2017年4月10日~)=為替王

為替は先週も1ドル=110円~111円台の低空飛行が続いています。先週金曜日はいろいろと、円高が加速しそうな危ない出来事がありました。まず、アメリカ軍によるシリア爆撃。先週金曜日の日本時間午前10時過ぎ、悲惨な内戦と大虐殺が続くシリアに対してアメリカが軍事行動をとったことが伝わると、金融市場ではリスク回避的な投資行動から、株価が急落。為替も一時110円10銭台まで急落。次に、アメリカ雇用統計。先週金曜日夜9時半、アメリカの雇用統計が、予想されていたほど良くなかったということでドルが急落。ここでも110円10銭台でぎりぎり止まりました。結局、先週も110円の大台は、かろうじて死守されました。
さて、今週の見通しについて。先週末は111円を回復して終わりました。が、依然として円高リスクを抱えた状態と判断されます。円安方向への戻りは、111円台後半~112円近辺。今週、円安に戻ったとしても、まずそのあたりで上値が重たくなりやすいと考えられます。円高方向の注目ポイントは間違いなく110円台。先月下旬から、日中の動きとしては、110円10銭あたりが非常に重要なサポートラインとなっています。ただ、終値ベースでは110円台半ばあたり。いずれにしましても、この先、110円をキープできるのかどうか?が非常に重要です。地政学的リスクは、シリア問題だけでなく、北朝鮮問題もあります。また一般的な経済ファンダメンタルズ要因としては、トランプ政権が重要公約を実行できないリスクもあります。いずれのリスクも、表面化した際には、ドル安円高要因になりやすく、短期的には反発(円安)が続いたとしても、中期的にはいずれ110円を割れて、円高が加速する可能性が低くないのではないかと見ています。
ユーロ円については、予想がずばり的中しました。先週号では「117円台前半あたりが当面のメドになります」と明言しました。先週の安値は1ユーロ=117円30銭台。まさにドンピシャで予想的中しました。
トルコリラ円が先週は完全に1リラ=30円を割り込み29円台に突入してきました。チャート形状の見方が難しくなっていますが、当初抱えていた相場エネルギーが下方に噴出される地点が29円台前半になります。さらに言えば、今年1月の安値も29円台前半でしたので、そのあたりへ下落が拡大する余地はあるのではないかと見ています。(執筆者:為替王)(イメージ写真提供:123RF)
為替は先週も1ドル=110円~111円台の低空飛行が続いています。先週金曜日はいろいろと、円高が加速しそうな危ない出来事がありました。(イメージ写真提供:123RF)
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2017-04-10 08:45