【本日注目の通貨ペア】米ドル/円:地政学的リスクへの備え

 今月7日にアメリカはシリアを空爆。米中首脳会談の最中に実施された事から、市場では中国や北朝鮮に対するけん制であったとの見方が強い。その後は米空母が朝鮮半島付近に派遣されるなど、足元で北朝鮮情勢がクローズアップされている。米朝間が緊張の度合いを増せば、リスク回避の円高要因となる公算が大きい。  その場合のドル/円の下値目処として、まずは心理的節目の110円ちょうどが挙げられる。すぐ下に週足の一目均衡表の基準線(執筆時109.924円)がある他、先月後半以降何度も下押すも一度も割り込んでいないため、110円は攻防の分岐点として注目されよう。下抜けは容易ではないと見るが、もし割り込んでしまうと、月足の一目均衡表の雲上限(今月108.992円)や転換線(執筆時109.097円)が近い109円ちょうどの心理的節目に向けた一段安も考えられる。  現時点では可能性は低そうだが、万一武力衝突が発生した場合は急速に円高が進む事もあり得る。状況はやや異なるが、過去に急落した例を振り返ると、東日本大震災時が発生から約1週間で8%、英EU離脱国民投票時は1日で7%であった。市場がパニック的な動きとなる場合、7-8%程度の下押し水準が一つの目処となるかもしれない。 (執筆:外為どっとコム総合研究所 編集担当:サーチナ・メディア事業部)(イメージ写真提供:123RF)
今月7日にアメリカはシリアを空爆。米中首脳会談の最中に実施された事から、市場では中国や北朝鮮に対するけん制であったとの見方が強い。(イメージ写真提供:123RF)
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2017-04-11 16:45