【為替本日の注目点】ドル円反発するも限定的

 ドル円は109円台を回復し、109円39銭近辺まで買われたものの、米国がアフガニスタンの「イスラム国」の施設を攻撃したとの報道から反落。109円割れまでドルが売られ、109円10銭前後で取引を終える。ユーロドルは1.06台前半で小動き。対円では115円台まで売られ、直近安値を更新。  株式市場は朝方には前日比プラス圏で推移していたが、米国の「イスラム国」施設への攻撃が伝わると急落。ダウは115ドル下落し、2万500ドル台を割り込む。債券相場は地政学的リスクがさらに高まってきたことから続伸。長期金利は2.23%台まで低下。金は続伸し、一時5カ月ぶりとなる1290ドル台まで買われる。原油価格も小幅に反発。 3月生産者物価指数         →  -0.1% 新規失業保険申請件数         →  23.4万件 4月ミシガン大学消費者マインド(速報値) →  98.0 ドル/円108.96 ~ 109.39 ユーロ/ドル1.0609~ 1.0635 ユーロ/円115.75~ 116.15 NYダウ -138.61 → 20453.25ドル GOLD +10.40 →1,288.50ドル WTI +0.07 → 53.18ドル 米10年国債  -0.020 → 2.237% 本日の注目イベント 米   3月消費者物価指数 米   3月小売売上高 米   グッドフライデーのため債券、株式市場は休場  ドル円は昨日の朝方、株価の下落に伴い108円73銭近辺まで売られたが、その後はもみ合いを続け、夕方には109円台を回復。NY市場では109円39銭あたりまで反発しました。ただ、その後は米国がアフガニスタンにある「イスラム国」の施設を攻撃したことが伝わり、株安、金利低下、と再び地政学的リスクが高まり円が買われています。  この日は、ミシガン大学消費者マインドなど、経済指標は良好で、さらに、JPモルガンの好決算があったにもかかわらず、米国が「イスラム国」施設を攻撃したことで、北朝鮮への攻撃もあるのではないかとの観測も高まって来ました。今回米国が使用した爆弾は、核以外では米軍最大の破壊力を持つ大規模爆風爆弾兵器(MOAB)を使ったと伝えられ、このあたりにも、トランプ大統領の「あせり」のようなものを感じます。大統領就任時には演説で、「米国はもはや、世界の警察ではない」と述べましたが、どうやら、米国は再び世界の警察の任務に戻ったようです。  ドル円は注目されていた日足の「200日移動平均線」がある、108円60-70銭の手前で反発しており、この水準が意識されていたことが窺えます。また「月足」でも現在雲の上限に差し掛かっており、この雲の中に入るのかどうかも意識されています。この雲は昨年6月の「BREXIT」に伴い急激な円高が進んだ際にも、しっかりサポートされた「実績」があります。今回も再びこの雲入りを試しており、上記「日足」の200日線と考えると、重要なレベルと言えます。  それにしても、トランプ氏が大統領に就任してからは、予想はしていましたが、円高圧力が強まっています。もともとドル高を受け入れるとは思っていませんでしたが、それでも財務長官のムニューチン氏が「長期的にはドル高は有益だ」と発言するなど、110-120円の水準なら許容範囲なのではないかとの見方もありました。地政学的なリスクの高まりに加えて、「ドルは強すぎる」といった発言で短期的なドル円のレンジは105-110円に下方修正された可能性もあります。  本日は再び軟調な株価の動向が気になります。NYタイムは株式、債券市場が休みのため、ドル円の値動きも限られると思われますが、米空母は15日にも朝鮮半島付近に到着するとの報道もあり、依然として緊張が続きます。  予想レンジは108円50銭~109円80銭程度とみます。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ・メディア事業部)(イメージ写真提供:123RF)
ドル円は109円台を回復し、109円39銭近辺まで買われたものの、米国がアフガニスタンの「イスラム国」の施設を攻撃したとの報道から反落。(イメージ写真提供:123RF)
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2017-04-14 09:30