ライドオン・エクスプレスは中期成長力を評価して反発のタイミング
フードデリバリー事業のライドオン・エクスプレス <6082> (東マ)の株価は全般地合い悪化も影響して軟調展開だが、売られ過ぎ感を強めている。調整のほぼ最終局面であり、中期成長力を評価して反発のタイミングだろう。
フードデリバリー事業(調理済み食材宅配事業)を全国展開している。自社ブランド宅配寿司「銀のさら」、宅配御膳「釜虎」、シニア向け宅配弁当「銀のお弁当」、宅配とんかつ「あげ膳」、宅配カレー「カレーキャリー」の宅配を主力として、提携レストラン宅配代行サービスのファインダイン事業、その他事業のアート創作サービス「リトルアーティスト」を展開している。主に団塊~シニア層向けにビッグデータを活用し、宅配寿司・釜飯カテゴリーにおいて圧倒的な市場シェアとブランド力を誇っている。
直営店とFC店を戦略的に配分し、1拠点で複数ブランド店舗を展開していることも特徴だ。13年9月末時点の宅配拠点数は直営81拠点とFC287拠点の合計368拠点、ブランド別店舗数は「銀のさら」362店舗や「釜虎」182店舗など合計562店舗(直営153店舗、FC409店舗)である。ファインダイン事業の提携レストラン数は248である。また14年4月上旬には新ブランドの宅配寿司「ろくめいかん(鹿鳴館)」をトライアル出店する予定だ。宅配寿司「銀のさら」よりも低価格で、宅配寿司の日常的な利用を促進することを狙いとしている。
成長戦略としては、宅配寿司「銀のさら」を核とした拠点数の増加、1拠点で複数ブランド店舗を運営する複合化戦略の推進、ファインダイン事業の展開加速、デリバリーネットワーク戦略(BtoC型デリバリープラットフォームの構築)を掲げている。また14年2月にはシルバーライフと業務提携した。同社は高齢者向け配食サービス「まごころ弁当」を全国362店舗(14年1月末現在、FC店舗含む)展開し、商品供給の自社工場も運営している。高齢者向け宅配弁当市場で両社のノウハウ・宅配拠点・供給工場等を最大限活用する。
今期(14年3月期)業績(非連結)見通しは前回予想(12月3日公表)を据え置いて、売上高が前期比2.8%増の165億83百万円、営業利益が同68.4%増の9億12百万円、経常利益が同69.1%増の9億01百万円、純利益が同2.2倍の5億10百万円としている。宅配事業の新規出店、期間限定商品投入・テレビCM・計画的DM・WEB限定キャンペーンなどの販促効果、食材調達先見直しによる粗利益率改善、ファインダイン事業の配達効率化による収益改善、不採算だった中華宅配事業の譲渡などで、先行投資費用や新規上場費用などを吸収する。通期上振れの可能性もあるだろう。
フードデリバリー市場は高齢人口の増加、女性の社会進出による家庭内調理時間の減少、小規模世帯の増加、インターネットの普及などを背景として拡大基調である。店舗の立地・面積・設備などの制約を受けにくい優位性も発揮して収益拡大基調が期待される。
なお2月25日に発表した立会外分売(23万1500株)については、3月5日に終了した。分売価格は2639円だった。
株価の動き(13年12月公開価格2000円に対して初値3105円、上場来高値14年1月3835円)を見ると、2月10日と2月12日に付けた戻り高値3770円から利益確定売りや全般地合い悪化の影響で反落し、3月6日の2605円までほぼ一本調子に下落した。立会外分売による需給悪化も警戒されたようだ。その後3月11日に2890円まで反発する場面があったが、全般地合い悪化の影響も受けて反落し、3月20日には上場来安値となる2462円まで下押す場面があった。
3月20日の終値2490円を指標面で見ると、今期予想PER(会社予想のEPS120円96銭で算出)は20~21倍近辺である。軟調展開だが、日足チャートで見ると25日移動平均線に対するマイナス乖離率が16%程度まで拡大して売られ過ぎ感を強めている。調整のほぼ最終局面であり、中期成長力を評価して反発のタイミングだろう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)
フードデリバリー事業のライドオン・エクスプレス<6082>(東マ)の株価は全般地合い悪化も影響して軟調展開だが、売られ過ぎ感を強めている。
economic
2014-03-24 09:30