ビー・エム・エルは下値限定的、好業績を評価して1月高値試す
受託臨床検査大手のビー・エム・エル <4694> の株価は、全般地合い悪化の影響で戻り高値圏から反落したが、足元では下げ渋り感を強めている。下値は限定的のようだ。好業績を評価する流れに変化はなく、短期調整一巡して1月高値を試す展開だろう。
臨床検査事業を主力として、腸内細菌検査や食品衛生コンサルティングなどの食品衛生検査事業、電子カルテなどの医療情報システム事業、SMO(治験支援)事業も展開している。事業基盤拡大と収益構造改善に向けてM&Aの活用、クリニック・病院市場の新規顧客開拓、重点検査項目の拡販、子会社の経営合理化などを推進している。食品衛生検査事業は「食の安全」意識の高まりが追い風であり、医療情報システム事業では電子カルテ「クオリス」のブランド向上に向けた取り組みを強化している。
13年12月には中国・上海における合弁会社(上海千麦博米楽医学検験所有限公司)の設立を発表した。現地で臨床検査センター運営の実績を持つ上海千麦医療投資管理有限公司、上海新虹橋国際医学中心建設発展有限公司との3社合弁で、中国でも臨床検査受託事業を展開する。
今期(14年3月期)の連結業績見通し(2月6日に業績・配当予想を増額修正)は、売上高が前期比4.1%増の985億円、営業利益が同20.5%増の80億円、経常利益が同20.4%増の84億円、純利益が同29.4%増の48億円としている。食品衛生検査事業は前期好調だった放射能検査関連の反動減だが、主力の臨床検査事業は新規顧客の開拓、既存顧客に対するピロリ菌関連検査やアレルギー検査など重点検査項目の拡販などで好調に推移し、子会社の第一岸本臨床検査センターの経営合理化効果も寄与する。医療情報システム事業は診療所版電子カルテ「クオリス」が好調のようだ。
第3四半期累計(4月~12月)の進捗率は売上高が76.5%、営業利益が89.8%、経常利益が89.6%、純利益が89.8%と高水準であり、通期再増額の可能性が高いだろう。
株価の動きを見ると、2月~3月の戻り高値圏3600円近辺から全般地合い悪化の影響で反落した。3月18日と3月20日には3250円まで調整する場面があった。しかし2月安値3135円まで下押すことなく、終値ベースでは3300円台を維持している。好業績を評価して下値は限定的のようだ。
3月20日の終値3375円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS226円01銭で算出)は14~15倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間50円で算出)は1.5%近辺、実績PBR(前期実績の連結BPS2389円83銭で算出)は1.4倍近辺である。週足チャートで見ると26週移動平均線を割り込んだが、下ヒゲを付けて下げ渋る形だ。下値は限定的でトレンド転換には至らず、好業績を評価して1月の昨年来高値3750円を試す展開だろう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)
受託臨床検査大手のビー・エム・エル<4694>(東1)の株価は、全般地合い悪化の影響で戻り高値圏から反落したが、足元では下げ渋り感を強めている。
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2014-03-24 09:45