クレスコは高値更新の展開、好業績や増配を評価して上値追い
受託ソフトウェア開発のクレスコ <4674> の株価は、全般地合い悪化の影響を受ける場面もあったが、昨年来高値を更新する展開だ。好業績や増配を評価して上値追いの展開だろう。
ソフトウェア開発(ビジネス系)事業を主力として、組込型ソフトウェア開発事業、その他事業(商品・製品販売など)を展開し、収益力向上に向けてERPコンサルティング、オンラインストレージサービス、クラウド関連サービスを強化している。得意分野を持つビジネスパートナーとのアライアンスやM&Aも積極活用して、グループ子会社の再編にも取り組む方針だ。
13年4月にはソリューション事業のクリエイティブジャパンを完全子会社化し、企業コンサルティング事業のエル・ティー・エスを持分法適用会社化した。13年9月には三谷産業 <8285> とクラウドサービス事業で協業体制を構築した。一方で13年12月には、インターネットコミュニケーションサービス事業を展開する連結子会社クレスコ・コミュニケーションズの株式を、同社の代表取締役に譲渡した。
3月4日にはゴマブックスと共同でゴマブックス専用電子出版システム「goma e-book store」を開発したと発表した。14年3月から「goma e-book store」を元に、企業の業務マニュアルや各種カタログをデジタル化して管理・活用できる法人向けサービス「Creage for Digital Publishing」の提供を開始する。さらに3月17日には、ゴマブックスの株式を追加取得すると発表した。提携関係を強化して、電子書籍・電子マニュアル・電子カタログの事業分野で、両社の顧客基盤と事業基盤を有効に活用し、相乗効果を最大限に創出するとしている。
今期(14年3月期)の連結業績見通しは、前回予想(5月7日公表)を据え置いて売上高が前期比15.6%増の220億円、営業利益が同13.5%増の14億10百万円、経常利益が同8.5%増の15億30百万円、純利益が同12.5%増の8億60百万円としている。ソフトウェア開発事業は金融分野や公共サービス分野、組込型ソフトウェア開発事業は通信システム分野や情報家電分野が好調だ。クリエイティブジャパンの連結も寄与する。
第3四半期累計(4月~12月)の進捗率は売上高が71.5%、営業利益が68.7%、経常利益が78.5%、純利益が83.6%である。第4四半期(1月~3月)の構成比が高い収益構造を考慮すれば高水準であり、通期上振れ余地があるだろう。また3月17日には期末配当予想を従来の13円から4円増額して17円にすると発表した。年間ベースでは従来予想26円から4円増額して30円(第2四半期末13円済み、期末17円)となり、前期(年間25円)との比較で見れば5円の増配となる。
なお13年11月25日に発表した自己株式取得(取得株式総数の上限40万株、取得価額総額の上限3億4百万円、取得期間13年11月26日~14年5月30日)については、14年2月28日時点の累計で取得株式総数11万9800株、取得価額総額1億1790万6700円となっている。
株価の動きを見ると、2月に昨年12月高値1045円を突破し、3月7日には昨年来高値1170円まで上値を伸ばした。一旦は利益確定売りや全般地合い悪化の影響で反落したが、今期配当予想の増額修正を好感して3月18日に1154円まで上伸する場面があった。足元は全般地合い悪化の影響を受けて反落の形だが、1000円台半ばで堅調に推移している。好業績を評価する流れに変化はないだろう。
3月20日の終値1061円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS79円90銭で算出)は13~14倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間30円で算出)は2.8%近辺、実績PBR(前期実績の連結BPS786円92銭で算出)は1.3倍近辺である。週足チャートで見ると足元は高値圏でやや乱高下する形だが、13週移動平均線をサポートラインとする強基調に変化はないようだ。指標面に割高感はなく、好業績を評価して上値追いの展開だろう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)
受託ソフトウェア開発のクレスコ<4674>(東1)の株価は、全般地合い悪化の影響を受ける場面もあったが、昨年来高値を更新する展開だ。好業績や増配を評価して上値追いの展開だろう。
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2014-03-24 09:45