【為替本日の注目点】NYダウ200ドルを超える上昇

 昨日の早朝に窓を開け110円台で取引が始まったドル円は、NY市場では依然として上値は重く110円台は維持できず。株価や長期金利の上昇にも、109円67銭近辺まで売られる。第一回フランス大統領選の結果を受けてユーロドルは堅調に推移。昨日の早朝には1.09台に乗せたが、NYでは終始1.08台で底堅く推移。株式市場は大幅に上昇。フランス大統領選の結果を受け、日欧で株価が上昇したことを好感。ダウは216ドル上昇し、2万700ドル台を回復。債券相場は続落。朝方は大きく売られたものの、北朝鮮問題など、依然としてリスクが残っているとの認識から下げ幅は徐々に縮小。長期金利は2.27%台へと小幅に上昇。ドル高が進んだことから金は大幅安。原油価格は供給過剰との観測から続落し、約1カ月ぶりの安値まで売られる。 ドル/円109.67 ~ 110.35 ユーロ/ドル1.0835~ 1.0874 ユーロ/円118.92~ 119.74 NYダウ +216.13 → 20,763.89ドル GOLD -11.60 →1,277.50ドル WTI -0.39 → 49.23ドル 米10年国債  +0.025 → 2.273% 本日の注目イベント 英  英3月財政収支 米  2月ケース・シラ-住宅価格指数 米  4月リッチモンド連銀製造業指数 米  2月FHFA住宅価格指数 米  3月新築住宅販売件数 米  4月消費者信頼感指数 米  企業決算 → マクドナルド、キャタピラー、コカ・コーラ、AT&T、ロッキ-ド・マーチン         注目されたフランスの第一回大統領選では、事前調査どおりマクロン候補とルペン候補が2週間後の決戦投票に進むことが決まり、市場には安心感が広がり、ユーロは主要通貨に対して全面高の展開でした。一方、円やドルは売られ、ドル円も昨日の早朝には110円台半ばまでドル高が進みましたが、依然として地政学的リスクや政治的リスクは払拭されていない足もとの状況では、ドルの上値は抑えられる展開でした。  24日公表のフランス大統領決戦投票に関する調査では、マクロン候補が61%対39%でルペン候補を破るとの予想が示されています。今回の選挙で3位だったフィヨン氏と5位だったアモン氏は、共にマクロン支持を表明しています。ただ4位のメランション氏がルペン候補を支持するのかどうかは不明のようです。このままいけば、5月の決戦投票では「マクロン大統領誕生」の可能性が高いと思われますが、ルペン候補の巻き返しも予想される上、昨年6月のイギリスの例もあり、現時点では「まだ五分五分」と考えておいた方が無難かと思われます。  ひとまず目の前の政治的リスクはクリアしたことにはなりますが、上で述べたように、まだ決戦投票が残っています。さらに本日25日は朝鮮人民軍創建85年の節目にあたります。北朝鮮からのミサイルの脅威が迫っているのも事実のようです。昨日、トランプ大統領は安倍首相だけではなく、中国の習近平主席とも電話会談を行ったと伝えられています。電話会談では、朝鮮半島の非核化に向けた連携で一致したようですが、今のところ北朝鮮は挑発行為を止める気配はありません。  米国だけでなく、中国との関係を悪化させることになると、北朝鮮は経済的にも孤立することになり、常識的に考えると「勝ち目のない戦」ということになり、北朝鮮からの攻撃開始は考えにくいということになります。一方米国にしても攻撃を仕掛けることは得策ではないはずです。どちらも出来れば「外交的解決」を望んでいるものと思いますが、そうなるとますます中国の役割が重要になってきます。  本日は北朝鮮情報に耳を傾けながら、日本株の行方を見守る展開になります。突発的なニュースが起きない限り、ドル円の下値は限定的かと思われ、逆に動きにくい展開にもなりそうです。レンジは109円30銭~110円30銭程度を予想します。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ・メディア事業部)(イメージ写真提供:123RF)
昨日の早朝に窓を開け110円台で取引が始まったドル円は、NY市場では依然として上値は重く110円台は維持できず。株価や長期金利の上昇にも、109円67銭近辺まで売られる。(イメージ写真提供:123RF)
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2017-04-25 09:15